2020年2月4日更新 6485 7
アクションフィギュアをリペイント!「Astrobots Apollo」をSFミリタリー調に塗装してみる
SNSでも高評価連発のアクションフィギュアToynotch「Astrobots Apollo」その造形があまりにも素晴らしいので、今回はプラモデル初心者でありながら無謀にもリペイントに挑戦してみました!

9,000円のアクションフィギュアを本当に塗装して良いのだろうか
前回のブログで紹介したToynotchの「Astrobots Apollo」ですが、すでに購入した方などにも読んでいただいて、amazonでの在庫もかなり薄くなっているようです。欲しい方はお早めにどうぞ!
流通数の少ないAstrobots、前回の記事にも最後に書いたのですが造形は最高であるものの、「若干色がポップ」な点が個人的にはしっくりきてませんでした。
いや、色がポップでも十分かっこいいのはわかっています。しかしこのポップな青がもっと渋かったらもっとカッコよくなると思ったが最後、やっちゃいますよね、リペイント。というか購入した時点ですでに心は決まっていたのかもしれません。
最初にお断りしておきますと、最終的にある程度満足できる形までもっていけたのでこうやって記事を書いていますが、元々ブログ記事にする予定もなく個人的に楽しもうと思っていたので途中の過程など写真もほとんど撮っていないことをご了承くださいませ。
とはいえプラモデルを始めたのも最近ということと、何より9,000円近くするアクションフィギュアを塗装するのはかなりリスクではあります。決して万人におすすめするというわけではなく、あくまでも「プラモデル歴半年の人間が知っている知識のみで挑戦した」備忘録としてご覧いただければ幸いです。(もしかしたらプラモデル制作的に間違っている方法もあるかもしれません)
そういえばAstrobotsって、リアルスティールに出てきてもおかしくないフォルム。
塗装に入る前の思考手順
「否定をするなら代替案を出せ」と会議で言われることも多いかと思いますが、リペイントも同じでいきなり着手はしません。まずは「どうなったら理想なのか」というイメージを具体的に絞り込んでいきます。
1,現状分析
そもそも「どこを変えたらいいのか」いいのかという点をじっくり観察していきます。自分の中で導き出した答えとしては「造形は素晴らしいのに、プラスチック感があるところ」でした。この時点では例えば素材はそのままに「汚し塗装」を施すことで可能かも?というアイデアは浮かんだのですが、イメージしたところ表面が変わらないと多分「汚れたプラスチック」みたいになって後悔することになるということで、塗装するという選択肢に絞られました。ただ、関節部分にあるオレンジはアクセントとして良いと思ったのでボディの多くに使われている青とグレーの部分を塗装するという方針に決定。
2,塗装方法はどうするべきか
プラモデルの練習としてワイルドミニ四駆をたくさん作って練習はしましたが、主に使っていたのはスプレーでした。今回は構造的に解体ができないので、オール筆塗りで行くことで決定。ここは未知数ですが最終的に汚し塗装を施すのであれば多少のムラはカバーできそうな気がしました。
3,理想のイメージをどう探すか
ここすごい大事なところですが、頭の中のイメージを想像してもかなり曖昧だったりします。僕の場合は大好きな映画「チャッピー」のコンセプトアートを参考にしました。
あとはPinterestで常日頃からお気に入りのSFロボットアイテム等の画像を収集してそこからデザインのアイデアを発想します。気になるようでしたら僕の趣味が全開のこちらのリンクからのぞいてみてください。
塗装に入る前に決定した方針
上記の検討項目から戦略として「ブルーとグレーの部分を筆塗り塗装した後に汚し塗装」という手順に決定しました。
Astrobotsリペイントのために購入したアイテム
ではここからはリペイントのために準備したアイテムを紹介していきます。
1,ボディの塗装2色
TAMIYA XF-18 ミディアムブルー
TAMIYA XF-12 明灰白色
こちらの2色をブルーとグレーの上に重ねていきます。なんとなくのカラーはこちらの妄想SFアイテムからイメージしました。
2,汚し塗装アイテム
タミヤ スミ入れ(ブラック)
タミヤ ウェザリングマスターB
シタデル Shade Earthshade
シタデルカラーは今回初挑戦でした。きっかけはプロペインター「せなすけ」さんのYouTubeでした。
上記動画で見たミレニアムファルコンの汚し塗装がかなりツボで今回チャレンジすることにしました。といってもいきなり塗るのは怖いのでまずは手元にあったトミカ製のミニチュアミレニアムファルコンで練習しました。
上記だとかなりオモチャっぽかったのですが、こちらにグレーのサフを吹いてからシタデル のShadeカラーを塗りたくると以下の感じになります。
そこにグレーのドライブラシをかけてこのように完成。完成度はさておき、おもちゃ感は消えたのではないでしょうか。
せっかくなので同じくトミカのAT-ATとAT-STにも塗ってみましたが、これいいです。今度落ち着いたらスターウォーズシリーズのプラモデルにも手をつけてみようと思います。プラモデルの何が楽しいかというと、こうやって新しい調べ物をしていチャレンジしていく過程で「あ、このスキルあったらこれ作れるかも」という感じで、可能性がどんどん開いていくのがやっていて楽しいところです。
3,装飾用デカール
HIQPARTS JPN DECAL
日本語表記が入っているのが逆に重機みたいでいい感じではないかと思い購入
Vertex スペシャルカラーマーキング
こちらも工業製品感がアップすると思い購入
ベースの塗装2色を筆塗りしていく
すいません、ここから完全に集中していたために途中経過の写真がありません。一応プロセスだけ紹介いたしますと上記で購入したブルーとグレーの塗料をそれぞれもともとのパーツの色に重ねていく感じで塗っていきます。
と、文章で書いてしまうと一瞬なのですがなんせ組み立ててある状態で塗るのでおそろしく時間がかかります。乾燥していない状態で触ってしまうと指紋がついたり、意図しない箇所へ塗料がついてしまいます。なのでちょっと塗っては乾かすという作業をひたすら繰り返します。あと塗り終わったと思って関節を動かしたら塗っていない場所があって重ねたりと繰り返すうちに1日がすぎていました。
あと細かい境目は繊細に塗り分ける必要があるので、「極細面相筆」を使うのがおすすめです。
拡大するとちょっと粗が見えてしまいますが、ほぼほぼ満足いく仕上がりに。
楽しい「汚し塗装」
すいません、ここも夢中になっていたあまり途中の写真が全くありません。合ってるか分かりませんが、作業手順としては以下のようにいたしました。
- 細かい溝にスミ入れ
- シタデル カラーで汚し塗装(液体汚れっぽさ)
- デカール貼り付け
- ツヤ消しスプレー
- タミヤ ウェザリングマスターBの「スス」
上記の流れでやっていきました。(合ってるかどうかは不明)
足掛けまる2日、9,000円のアクションフィギュアのリペイント完成!
つぎはぎだらけのプラモデル知識を総動員してようやく完成! 正しいかどうかは分かりませんがイメージしていた通りの最高の立体造形物に仕上がりました!
工業製品っぽいデカールがリアリティをアップさせてくれます。
そしてこの美しいクビれ。(塗装関係ないけど)
地味にネジっぽいところはシルバーで塗っています。極細面相筆の塗装をしている時にはリアルにハズキルーペ買おうかと思いました。
リスクは大きかったものの、得られた満足感は非常に高い
完成してから8時間くらいはもう眺めていたのではないでしょうか(体感時間)それくらい満足度の高い仕上がりです。(個人的満足度)もしかするとプラモデルのベテランからしたら間違っている方法だったり、順番が違う場合もあるかもしれません。実際自分もこのアクションフィギュアを塗装しようと思った時に、「もうちょっと練習してから」とか「ドライブラシを使いこなせていたら」などということも頭をよぎりました。
プラモデル練習としては冒頭にも書きましたが「ワイルドミニ四駆」をたくさん作ることで練習してきましたが、時にはこういう「ステップアップをしたチャレンジ」も良いのではないでしょうか。確かに練習だと「失敗しても練習だから」という感じで気楽にはできますが、完成に対するこだわりというのはその分少し下がることもあります。(もちろん楽しめればそれでも十分です)
さすがに9,000円のアクションフィギュアに塗装するということ自体がいきなりハードル上げすぎた感ありますが、今回のチャレンジでまた新たなプラモデルを作りたいという意欲がふつふつと湧いてきました。
「妄想」というアイデアを検証するプロセスが楽しい
そもそもの発端は「これもっと渋い色だったらかっこいいだろうな」と思ったことがきっかけでした。この初動の「あったらいいな」を思った時点でおそらくおぼろげながら「制作のプロセス」というのは頭の中にあるはずですが、実際にプラモデルをやっていなかったりすると途中の階段が見えなくてやめてしまうことが多いような気がします。
確かに塗料を揃えたり、やったことのない筆塗りだったり塗装の順番だったり「学習」することが意外と多いです。「学習」と言ってしまうと腰がひけてしまう人も多いかもしれませんが、「できることが増える」という言葉に置き換えると前向きになれるのではないでしょうか。プラモデルショップに行けばミニ四駆をはじめ、塗装の練習をするのに十分なアイテムは多くあります。
今回はいきなり9,000円のアクションフィギュアというかなりハードル高めのチャレンジでしたが、ここまで読んでいただいた方にはぜひ「妄想」というアイデアを形にする楽しさを知っていただければ幸いです!