2020年2月25日更新 24002 12
【30年ぶりのゾイドに感動】ゾイドワイルドをプラモデル的に「重機風塗装」で楽しむ
プラモデルの塗装練習としても最適な低価格帯のゼンマイで動くゾイドを重機風に塗装!低価格帯とはいえ、可動ギミックやディテールの作りはさすがゾイド!今回はバリエーションも多く作ってみました。

43才のおじさん、懐かしのゾイドに再び触れる
最近めっきり「プラモデル作り」の魅力にはまってしまいまして、何か塗装するアイテムを常に探していたところ最高の製品を見つけてしまいました。今の子にとってはすでにおなじみかもしれないですが、43才のおじさんにとっては懐かしの「ゾイド」です。
現在のラインナップは「ゾイドワイルド」というシリーズらしいですが、当時小学生だった僕らの時代は「メカ生体ゾイド」というラインナップで展開されておりました。当時も今と同じくゼンマイで動く低価格帯のゾイドとモーターで動く高価格帯のゾイドで、僕はゼンマイで動くタイプのワニ型の「バリゲーター」とカメ型の「カノントータス」を持っていたような記憶があります。
僕が知っているゾイドはこんな感じです。最初のCMはなんと1983年!
「共和国」と「帝国軍」というコンセプトのもと、ラインナップが充実してくる1985年あたり
1989年になると、もうかなり世界観ができてきてる感じに!
インターネットとかもまだない時代にこんなのテレビで見たら日本中の全男の子がハマらないわけがない。それはまさにロマンの塊が動いた瞬間でした。
小学生時代にはまった時代としては多分ラジコンにはまるちょっと前だったような気がしますが、やはりこの頃から「動く何かを作りたい」という欲求は刺激されていたのかもしれません。
今回はプラモデル欲を手軽に満たしてくれるゾイドラインナップとして
- カブター
- クワーガ
- ラプトール
- スコーピア
- グソック
合計5体を購入してそれぞれ塗装していきました。今回は練習も含めて作成したゾイドと重機風に塗装した5体の紹介をしていきます。
練習としてカブトムシ型ゾイド「カブター」をSFミリタリー調に塗装
まず最初に購入したのがカブトムシ型のゾイドカブターです。
男の子の「大好き」と「大好き」を掛け算したような最高のアイテムじゃないでしょうか。まずは手始めに一台オリジナルカラーとしてSFミリタリーテイストに塗装してみました。
今回練習としてした塗装は以前「偏愛DIY」で塗装したVRゴーグルの塗装をベースにしております。
ブルーの部分はタミヤ「インターミディエイトブルー」
グレーの部分は同じくタミヤの「ロイヤルライトグレイ」
2色をベースにしております。
1,000円以内で3段階楽しめる!
およそ30年ぶりに触れたゾイドでしたが、感動の嵐でした。そもそもの造形が美しいことはもちろんのこと「塗装の楽しみ」「組み立てやすさ」そして「動くことの感動」の3段階で楽しむことができます。
何よりも子供向けに作ってあるので、プラモデルに比べると組み立てが意外と簡単です。しかし侮ることなかれ完成度は非常に高いのと何より可動ギミックは僕が初めて触れた当時のゾイドそのままで、あの頃感じていたワクワク感を思い出すことができました。実のことを言うと最初はこのカブターだけを購入して塗装して終わる予定だったのですが、せっかくなら他の塗装も試してみたいということでカブターを始め、合計5種類のゾイドをオリジナルカラーで塗装することにしました。
祖井戸重工2020モデル「KABTOR ZW03」
コンセプトとして「リアルにありそうなゾイド」ということで重機風のシリーズを作ってみました。どうせならコンセプトも明確にしたいと重い架空の重機メーカー「祖井戸重工」というメーカーから発売された重機というテーマで作っていきました。
頭の中にある「妄想」を具現化していくという楽しみ
これこそが今回のゾイドを楽しむ中で一番のポイントです。「重機風」という思いつきの「妄想」を目の前のゾイドに落とし込むプロセスを自分なりに「仮説」を立てながら形にしていくゲームのような感覚です。
子供の頃はまだインターネットがなかったということと、そこまで細部を再現するスキルがありませんでしたが、今はネットで検索すれば様々な重機の画像を一瞬で探すことができます。また実際に工事現場にある重機を見ることでさらにリアル感を追求することができます。
どうでもいい細部のことですが「祖井戸重工」という名前もどういう当て字にするのかも実は意外と考えました。最初に「井戸」は思いつきましたが、イメージ的に「祖先」的なものが「井戸」から出てくる的なニュアンスで「祖井戸重工」という架空のメーカー名にしました。こういうどうでもいいことにまでやたらこだわることこそ実は一番楽しいことだったりします。
まだこの世にない「妄想」を具現化するという答えのないゲーム性が大人の好奇心をガンガン刺激します。
意外と少なく感じるパーツ類
ここからは実際の制作プロセスで解説していきます。元々箱も小さいのですが、パーツ類も3種に分けられた袋詰めで思いの他少ないことにびっくりします。あと、説明書が「復元の書」という形で少年少女の制作モチベーションを上げてくれる様式に変わっていたのには時代を感じました。
ベース塗装には白のサーフェイサーを
ボディの部分は写真にあるように若干パステル調のグリーンなので上に乗せる黄色が映えるように白のサーフェイサーを吹いておきます。
重機風カラーはタミヤ「キャメルイエロー」を使用
サーフェイサーを吹いたパーツに重機風のキャメルイエローのスプレーを吹いていきます。
このパーツだけでも重機の匂いがぷんぷんしてきます。キャメルイエローは塗装欲を増してくれます。
黒パーツ部分はツヤ消しブラックのタミヤNATOブラックで塗装
黒いパーツはそのままでも良いような気がしますが、やはり塗装をしないとプラスチック感が出てしまうので今回はタミヤTS-63「NATOブラック」にて塗装しています。
BEFOREの状態を出していないので判断しがたいとは思いますが、塗装を施すとこのように重厚感あるブラックになります。基本的にこのあと組み立てていく4体についても同じ塗装手順となります。
塗装が済んだら楽しい組み立てタイム
プラモデルとは違い、接着剤を使用しない組み立て方法なのでかなりサクサク進めることができます。復元の書という名の組み立て説明書が非常にわかりやすいので、想定の3倍くらい早いスピードで一気に組み立てることができます。
ディテールを作り上げるためにオリジナルステッカーを自作
重機感を出すためにステッカーがマストで必要だったものの、合うステッカーがなかったので自作することにしました。今回セレクトしたのはシールタイプだったのですが、よりディテールにこだわる場合は「水転写タイプ」の方がよかったのかもしれません。あとこちら約1,000円で2枚しか作れないので使用する場合は他でも使えそうなデザインをみっちり詰め込んでからプリントアウトすることをおすすめいたします。
デザインはパソコンで作成します。重機風に使えそうなデザインをこれでもかというくらい詰め込みます。
実際にプリントアウトするサイズに拡大してパーツと照らし合わせながらデザインをしていきます。
シール作成の重要なポイント
今回はたまたま使用しなかったのですが、こちらの自作シールにおいては「白」は使えません。基本的に家庭用プリンターは「白い紙」に印刷することが前提になっているので「白のインク」がそもそもありませんので、そこは注意しておいた方が良いかもしれません。
渾身の「祖井戸重工」マーク
自作ステッカーによって完成した「祖井戸重工」印のステッカーが映えます。やはりちょっと段差が目立つのがちょっと後悔です。
こういうシマシマの感じとか、型番の英語とか入れるとかなりリアリティ感増します。
汚し塗装でディテールアップ
ステッカーが貼り終わったところでも終えて良いのですが、ここからが一番楽しいところなのでこだわっていきましょう!
スミ入れでディテールアップ
個人的に一番大好きな作業です。ツツーと入っていく感触をぜひお楽しみください。
このような段差に入れるだけでも立体感が出てきます。
黒部分にシルバー塗装でリアル感アップ
最初は気づかなかった部分ではありますが、黒パーツにも部分的にシルバーを塗っていくことで「情報量」が増えてリアル感がアップします。また最終的には足元の部分にはオレンジとシルバーでも塗装しました。
タミヤ「ウェザリング マスターC」が黒パーツにハマる!
黒パーツの端っこを中心にシルバーを乗せることでさらにリアル感増していきます!
祖井戸重工「カブター」完成!
塗装やステッカーの作成を含めると大体全工程で6時間くらいかかりましたが、満足度150%です。基本的な塗装工程はほぼ同じですので残りの製品についてはざっくり紹介していきます。
祖井戸重工2020モデル「クワーガ」
クワガタ型のゾイド「クワーガ」はカブターに比べるとかなり「凶暴」なイメージです。何より両サイドに広がった黒いハサミが武器のようです。
もともとは紫がかったブルーのボディです。
組み立て前に細かい塗装はしておく
前回のカブターの塗装では全て組み立てたあとに細かい塗装をしていたので、今回は組み立て前にディテールの部分を塗っておくことにしました。
留め具のパーツもシルバーに塗装しておきます。
作っている途中でもかっこいい
これ全てのゾイドに共通しているポイントなのですが、基本の形態が完成した「骨格パーツ」の状態でも十分かっこいいです。あと地味に目の部分のパーツがメタリックな感じです。こういう細かいところのディテールにこだわってる点がゾイドのすごいところです。
黒パーツの隙間からのぞくシルバーのディテールが映えます。そして何より攻撃的な鋭い刃!こんな重機が現場にいたら怪我人が出そうで危ないかもしれません。
祖井戸重工2020モデル「ラプトール」
一旦昆虫型ゾイドを離れて恐竜型ゾイド「ラプトール」の重機風塗装です。
やっぱりゾイドといえば恐竜ですね。
手動ではあるものの、口の開閉ができるギミックはさすが。
そして骨格形態での完成状態が本当に恐竜の骨格のようでリアルです。
リアル感を出すために、歯の部分はシルバーで塗装。別にやらなくてもいいのですが、こういうディテールにこだわるのがプラモデルの楽しいところなのかもしれません。
カブター、クワーガに比べると意外とステッカーを貼るスペースは少なかったりします。
現場作業員を威嚇しているとしか思えないですが、こういう現場も楽しそうではないでしょうか。
祖井戸重工2020モデル「スコーピア」
恐竜のお次はサソリ型ゾイド「スコーピア」
全ての足とハサミがゼンマイ一つで動くという驚き
スコーピアに限った話ではないのですが、いくつかゾイドを久しぶりに組み立てて改めてすごいと思ったのが「ゼンマイ一つでリアルに動きを再現する」ということ。昔のゾイドを組み立てた時にもそういえばここに感動していました。今回のスコーピアも足の動きはもちろんのこと歩く度にハサミの部分も可動するという緻密なギミックが組まれています。想像するにタカラトミーの開発ではおそろしいほどの試行錯誤の元、リアルを追求するための時間をかけて製品化されているものだと想像すると感動すら覚えます。
現場作業では尻尾の部分で何かを採掘するのに役立ちそうなスコーピアでした。
祖井戸重工2020モデル「グソック」
こういうところのラインナップを出してくるあたりがゾイド大好きです。ダイオウグソクムシタイプの「グソック 」人気のあるカブトムシとか恐竜だけじゃなくって、こういう脇役的(?)なアイテムもちゃんと出してくるあたりにゾイドの気合を感じざるをえません。
2020年2月現在どうやら通販での価格が上がってるようですが、実は人気アイテムだったりして、、
元のカラーは地味なグレーカラーです。
似ているパーツが多いので今回は「発掘見取り図」を活用して組み立てていきました。
組み立て途中ですが、リアルすぎてちょっと気持ち悪いくらい笑(←褒め言葉です)
今回組み立てたゾイドの中では一番の「スミの入れ甲斐」ナンバー1です。なんせ溝が多いです。
現場リーダーの移動手段として活躍しそうなゾイドです。
動画で「ゾイド重機風塗装」の制作プロセスを見てみる
Yahoo!Creatros Programにて5種の制作プロセスを動画でアップしております。よろしければYahooアプリからフォローいただければ幸いです!
カブター編
クワーガ編
ラプトール編
スコーピア編
グソック編
ゾイド×プラモデル的楽しみ=週末最高
久しぶりにゾイドに触れましたが、プラモデル的な楽しみで触れてみるともっと楽しむことができました。最初にゾイドに触れた時にはまだプラモデルスキルがなかったために組み立てるところまでしかしませんでしたが、今回プラモデル的な楽しみ方をすることによって昔では感じなかったゾイドの新たな魅力に触れることができました。
そもそもゾイド自体が架空のデザインになるので、せっかくだったら塗装も自分の「妄想」というコンセプトを当てはめてみるには格好の製品ではないでしょうか。しかも塗装をしてみると分かるのですがディテールが非常に作り込まれているので塗装をすると全く別製品のように楽しむことができます。さらに今回紹介したラインナップはゼンマイで動く「低価格」タイプのゾイドなので気軽に塗装にチャレンジできるという点も非常に嬉しいポイントではないでしょうか。
週末にさくっと作れるレベルなのでちょっと息抜きにゾイドをプラモデル的に楽しむ週末を過ごしてみるのはいかがでしょうか。また僕と同様に子供時代にゾイドに触れていた人にもぜひ同じ感動を味わっていただければ幸いです!子供の頃に感じていたワクワクを思い出すことがきっとできることでしょう!