2020年6月3日更新 519

ロックフィッシュのシンカーは素材・形状、そしてシルエットの対比に注目

ロックフィッシュは根についた魚に対してアプローチするルアーフィッシングであるため、テキサスリグやフリーリグといったセッティングが使われることがほとんどです。これらのリグには必ずシンカーが使われますが、素材や形状によって様々なアイテムがラインナップされているため、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。今回はそんなロックフィッシュに必要不可欠なシンカー選びを素材や形状はもちろん、シルエットやカラーといった要素まで掘り下げて解説していきます。

MORITA

MORITA

北海道のルアーフィッシングライター

ロックフィッシュシンカーの取材に協力していただいたアングラー

ロックフィッシュシンカーの取材に協力していただいたアングラーを紹介します。

東北から北海道のロックフィッシュトーナメントに参戦する工藤さん

ロックフィッシュアングラー工藤

東北を拠点にアイナメやクロソイを狙ってロックフィッシュを楽しんでいます。ロックフィッシュの釣果を高めるために北海道のトーナメントにも遠征しており、函館ロックフィッシュバトルでは57cmのビッグアイナメをキャッチしています。ロックフィッシュの生態や海の状況はもちろん、シンカーやワーム選びを研究しながらロックフィッシュを追い続けています。

ロックフィッシュのシンカーは比重と硬度の2つを理解する

タックルケースに入ったビーンズシンカー

シンカーに使われている素材には代表的なものとして鉛、ブラス、タングステンがあります。それぞれの素材は価格だけではない様々な要素で比較することができます。

キャスト時の飛距離に影響を与える比重

比重は面積に対する物の重さを指します。鉄と発泡スチロールは同じ大きさでも圧倒的に鉄のほうが重いのは、発泡スチロールに比べて鉄のほうが比重が重いからです。同じようにシンカーも比重が重ければ重いほど、面積が小さくなりますので空気抵抗を受けにくくキャスト時の飛距離にも影響を与えます。 

感度を左右する硬度

硬度は物の硬さになります。シンカーはそれぞれの素材によって硬度が異なるため、硬度が高いほど固くなりストラクチャーやボトムタッチした際の感度が良くなります。ロックフィッシュは根掛かりと隣合わせの釣りであるためシンカーの硬度による感度の有無が釣果にも大きく影響します。 

ロックフィッシュのシンカーの素材によるメリット、デメリット

ロックフィッシュに使うバレットシンカー

ロックフィッシュのシンカーで使われる素材はそれぞれでメリットとデメリットが異なります。ロックフィッシュのシンカー絵選びで悩んでいる方は素材のメリットとデメリットを理解し、自分に合った素材を選んでみましょう。

鉛は初心者におすすめ

鉛はロックフィッシュだけではなく様々な釣りで使われる定番の素材です。釣り具店で販売されているナス型のオモリやガン玉も鉛製がほとんどになります。鉛は価格が安いためロックフィッシュの初心者がはじめて手に取るシンカーと言っても過言ではありません。

 鉛のメリット

鉛の最大のメリットは安価な価格によるコストパフォーマンスの高さです。根掛かりが多いロックフィッシュではシンカーをロストすることが非常に多いため、お財布に優しいシンカーを探している方は鉛を選びましょう。また、比重も高めであるためキャスト時の遠投性能が落ちにくいメリットもあります。

鉛のデメリット

鉛のデメリットは硬度が低い点です。他の素材に比べると感度も低いため、アングラーの手元に伝わる情報が少なくなってしまうこともあります。硬度の低さは根掛かり時のスタックが外しにくいため、アプローチするポイントによっては根掛かりが多発してしまうことがあります。

真鍮(ブラス)は磯ロックに人気

真鍮はブラスとも呼ばれる素材です。磯でのロックフィッシュ用の専用シンカーに多い素材ですが、近年はややラインナップが少なくなってきています。硬度が高いメリットもあるため、鉛との感度を違いを確かめたい方はぜひ使ってみましょう。

 ブラスのメリット

ブラスのメリットは硬度の高さです。鉛に比べると感度が高いため、ベイトタックルを使って地形変化の激しい釣り場やストラクチャーをタイトに攻めたいシチュエーションにも有効な素材になります。磯ロックでブラスが人気の理由は硬度の高さも理由の一つです。 カラーリングされた製品が多いため、シンカーのカラーで使い分けをしたい方にもおすすめです。

ブラスのデメリット

ブラスのデメリットは価格がやや高めである点です。鉛に比べるとコストパフォーマンスが悪いため、根掛かりの多い釣り場では注意が必要です。比重が3種類の素材の中で最も軽いため、ロングキャストしたいシチュエーションにも不向きです。ロックフィッシュでは遠投が必要不可欠なアプローチの1つになっているため、近年のブラス人気の低下に繋がっていそうです。

タングステンは高級素材

タングステンは3種類のシンカーの中で最も高い高級素材です。バスフィッシングなどのゲームフィッシングシーンでは古くから人気を集めており、高級素材ならではのメリットを活かした実践的なシンカーと言えます。

タングステンのメリット

タングステンのメリットは硬度と比重が最も高いことです。シンカーのサイズ感が小さいためキャスト時の遠投性能が高く、ボトムタッチや地形変化をわかりやすく感じ取れるまさに夢のようなシンカーです。根掛かりのリスクはゼロではありませんが、漁港区を中心とした釣りやロックフィッシュトーナメントシーンでは愛用するアングラーが多いシンカーになります。

タングステンのデメリット

タングステンのデメリットは価格が非常に高い点です。感度が良くサイズ感も小さくなるため根掛かりのリスクは少なくはなりますが、ボトムの根や岩などに積極的にリグを送り込むロックフィッシュでは根掛かりでロストしてしまうシチュエーションも非常に多いです。

ブラスタングステン
柔らかい
(感度×)
硬い
(感度◯)
硬い
(感度◯)
比重: 中比重: 大比重: 小
安価やや高額高額

ロックフィッシュのシンカーの形状による使い分け

ロックフィッシュのシンカーの形状には様々な形状があります。ここではそれぞれの形状の簡単な特徴と使用例を解説していきます。素材を決めてもどの形状を選べば良いか悩んでいる方は参考にしてください。

バレットシンカーは壁際の釣りにおすすめ

ロックフィッシュに使うバレットシンカー

バレットはテキサスリグ用シンカーの代表ともいえる形状で、弾丸のようなフォルムをしていることからバレットという名前がついています。ほぼすべての素材のアイテムが流通しており、バスフィッシングなどでも人気です。 

バレットの使用例

バレットシンカーはバスフィッシングにおけるカバー撃ちで使われているシンカーです。工藤さんはシンカーストッパーを利用してシンカーを動かないように固定し、ワームとの一体感とスタックの回避率を高めているようです。シンカーストッパーを使わないセッティングではイレギュラーなフォールアクションを演出できるため、アイナメを狙った壁際での釣りにも有効な形状です。

ボールは噛み込みにくい形状

ロックフィッシュに使うボールシンカー

ボールは名前の通り丸型の形状をしたシンカーで、フジワラのブラスボールというアイテムが有名です。名前通り丸い形状を採用しており中通しになっているパターンが多いです。ブラス素材はもちろん、鉛やタングステンを使ったアイテムも流通しています。

ボールの使用例

ボールはその形状から地形変化に対してすぐに噛み込みにくい長所があります。そのため、テトラポットやケーソンの穴撃ちといったピンポイントにリグを落とし込むシチュエーションでは根掛かりがしにくいアイテムです。しかし、水を受ける面が広いためアクション時に水の抵抗を受けやすく操作感が重くなってしまうデメリットがあります。

ドロップは遠投で活用

ロックフィッシュで使うドロップシンカー

ドロップは近年のロックフィッシュシーンで人気を集めているフリリグ用として販売されていることの多いシンカーです。涙型の形状を採用していることが多く、投げ釣りなどで使われるナス型オモリにも近い形状です。鉛素材を使ったシンカーが多いですが、汎用性が高く人気の高いアイテムも多いです。

ドロップの使用例

ドロップの強みは圧倒的な飛距離になります。フリリグで使用するとシンカーを通っているラインが1点でしか通らないため、キャスト時のシンカーの飛行形状に変化がなく、重点が1点に固まっているのでボールタイプのシンカーに比べて空気抵抗を受ける面が小さいです。そのため北海道や東北のトーナメントシーンでは遠投力を生かしたリグで使われることが多い形状になります。また、スプリットリングと組み合わせれば直リグ、ウェイトによってはダウンショットリグなどとにかく使い方によって様々なリグに使用することができます。

 ビーンズはロックフィッシュのスタンダード

ロックフィッシュで使うビーンズシンカー

ビーンズはジャングルジムより発売されているビーフリーテキサス専用のシンカーです。近年発売されたロックフィッシュ用シンカーの中では圧倒的な人気を誇り、ハイシーズンには人気のウエイトが完売してしまうことも多いです。鉛とタングステンの2種類の素材が販売されており、ロックフィッシュの新しいスタンダードといっても過言ではないシンカーです。

ビーンズの使用例

ビーンズシンカーとシンカーストッパー

ビーンズの最大の特徴はドロップシンカーと中通しシンカーのメリットを併せ持った構造です。ラインがシンカーの約1/3の場所から出ていることにより飛行姿勢のメリットとワームのシルエットがシンカーに被らなくなることによって、スモールワームを使用した時でもワームがシンカーから離れることができます。フックを結束するノットによってはノットがチューブの中に入ってしまい誘導性が損なわれることがあるので、工藤さんはノットの上にシンカーストッパーを通すことで、チューブの中にノットが入り込まないように工夫しています。

ワームとシンカーのシルエットを対比して意識してみる。

パドチューとナス型シンカーのシルエットの対比

ワームとシンカーのシルエットとの対比。ロックフィッシュのシンカー選びにおいて、シンカーのシルエットを気にする人は少ないかもしれませんが、工藤さんはこのワームとシンカーのシルエットの関係性をシンカー選びのポイントの1つとして考えているそうです。

シルエットの大きいシンカーを使う時はワームの距離を離す

工藤さんは3inch前後のワームに14g前後のシンカーを組み合わせて使用していることが多いです。これはシンカーがワームのシルエットを崩してしまうことを最小限に抑えるためです。また、アクション時にワームよりもシンカーのシルエットが大きくなってしまうリグセッティングではワームをシンカーからできるだけ離すように工夫をしているそうです。

様々な釣りの要素をシンカー選びに取り入れる

工藤さんは子供の頃投げ釣りをした時にオモリと針の距離が近い時ほど、餌を目立たせないと釣れなかった経験から、シンカーとワームのシルエットの対比を考えるようになったといいます。そのため、シルエットの大きいスシンカーを使うときは水抵抗の大きいワームを使いフリーフォールの時間を作ってあげるようにしているそうです。

また、ビーンズシンカーにシンカーストッパーを合わせるセッティングもシンカーとワームを離すにはどうしたらいいかと考えてるときに閃いたそうです。アングラーにとっては些細な変化も、海の魚にとっては大きな変化になることもあるので、ロックフィッシュだけではない様々な釣りの要素からシンカーの選び方を考えてみましょう。

工藤さんのおすすめセッティング例①

ビーンズシンカーを離したパドチュー

北海道や東北のロックフィッシュシーンで人気を集めているパドチュー。発売と同時に完売することの多い人気ワームです。パドチューはロックフィッシュで使われるワームの中でもシルエットが小さく食わせ力の高いワームです。使用する時はワームのシルエットを邪魔しにくいビーンズシンカーを使うことが多いそうです。

工藤さんのおすすめセッティング例②

エコギアから販売されているキジハタグラブはアイナメやソイ類を狙ったロックフィッシュにもおすすめ。ワームがフリーになった時にスローフォールするように設計されているため、シンカーシルエットの大きいフリリグシンカーを使った遠投でのアプローチに活用しているそうです。

シンカーカラーはロックフィッシュに影響を与える?

 ロックフィッシュ用のシンカーには塗装されたものが多く販売されています。コアなロックフィッシュアングラーの中にはシンカーのカラーが魚にとってプラスにもマイナスにも働いてしまうことがあるという意見もあります。

カラーチェンジで釣果が変わる!?

フジワラのブラスボールを使っているとシンカーの色がバイトマーカーとなってシンカーをカラーチェンジしただけでバイトが出るという意見もあります。ロックフィッシャーの中にはタングステンの反射を魚が嫌ってしまうと考え自分で塗装してしまう人までいます。ワームのカラーでバイトが変化するのと、同じくシンカーのカラーも魚に与える影響も少なからずあるのかもしれません。

工藤さんがおすすめするロックフィッシュのシンカー

最後に工藤さんが実釣で愛用するおすすめのシンカーを紹介します。素材や形状を理解してもシンカー選びが難しい方は、実釣で活躍するアイテムの中からロックフィッシュ用のシンカーを選んでみてください。 

ジャングルジム ビーンズシンカー

近年のロックフィッシュシーンでは欠かすことのできない定番シンカー。おすすめのセッテイングはリングマックス3inchやロックマックス3inchなどの小型カーリーテールワームと28g以上のヘビーウエイトとの組み合わせです。北海道や東北でのロックフィッシュトーナメントのロングスピンタックルと組み合わせることでウイニングルアーにもなっています。

カルティバ ドロップショットシンカー

カルティバから販売されるドロップ形状のシンカー。鉛素材であるため価格も安く、ウエイト設定も細かいため従来のウエイト設定では満足できないコアアングラーにもおすすめです。おすすめワームはキジハタグラブとの組み合わせで、シンカーシルエットで説明したようなシンカーのフォールスピードとワームの水押しの差でフリーフォールを演出させます。

デコイ テキダンシンカー

ロックフィッシュ用シンカーとしては珍しい、八面体のドロップシンカー。ラインを通すところがプラスチックで保護されており、比較的ヘビーウエイトを使用したときにメリットが顕著に出てきます。おすすめはロックマックス 4inchと組み合わせた磯でのロングスピン。ロックマックスのメリハリの効いたアクションで磯の魚に効果的にアピールします。

ロックフィッシュシンカーは様々な要素を考えながら選ぶ

ロックフィッシュ用として様々な形状が販売されているシンカー。素材や形状はもちろん、カラーやシルエットといった細部の要素まで煮詰めながらセッティングを考えられる点もロックフィッシュの魅力です。それぞれのアングラーに合ったシンカーや理想のシンカーセッティングは実釣の中でしかわからないため、今回の記事を参考に自分だけに合ったシンカーを探してみましょう。