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2019年8月5日更新 1932

オランダで釣りをするには?ライセンス取得方法やルアー、釣り具のこと

海外での釣りというと、言語の壁やフィッシングライセンスなど、少し難しそうに感じてしまいますが、そんなことはありません。今回紹介する、オランダ・アムステルダムでは、フィッシングライセンスの取得なども容易で、旅行者でも簡単に釣りをすることができます。この記事を通して、海外での釣りを少しでも身近に感じていただければ幸いです。

Itsuki Kozaki

Itsuki Kozaki

ドイツ在住調理師アングラー

運河がシンボルの街、オランダ・アムステルダム

ヨーロッパでも人気の観光都市であるオランダ・アムステルダム。美しい街に張り巡らされた運河は、世界遺産に登録されており、この街のシンボルでもあります。また、アムステルダムは海抜0m以下の土地が多いことでも知られています。運河のみならず、美しい街中にたくさんの水辺があふれているのですが、実はアムステルダムのほとんどの場所で釣りができるということはご存知でしょうか?歴史ある美しい街並みに囲まれたポイントで釣りをするのは、大海原に向かっての釣りとはまた違った魅力があります。今回はそんなオランダ・アムステルダムでのルアーフィッシングについて解説したいと思います。

アムステルダムでストリートフィッシングが流行中

アムステルダムの運河と運河沿いの遊歩道

運河を始め、池や湖など、少し歩けばそこら中に水辺があるアムステルダム。その全てにターゲットとなる魚が生息しているといっても過言ではありません。筆者が初めてオランダに渡航した際、インターネットを通じて釣りができるということは知っていたものの、「そもそもあんな観光地で他に釣りしてる人はいるのかな。というか本当に釣りをしてもいいのかな」と少し不安でした。しかし実際に街に出て運河沿いを歩いていると、意外にも釣り人に会うことは少なくありません。

餌釣り師が並んで竿を出しているポイントも

最近ヨーロッパの各都市では、”ストリートフィッシング”と呼ばれる、市街地でのルアーフィッシングが流行しています。日本で言う所の、”東京湾奥アーバンサイドシーバスゲームと”言ったところでしょうか。中でもアムステルダムはライセンス取得の容易さ、フィールドの豊かさなどからも、特に盛り上がっている地域の1つです。実際に釣りをしていてもアングラーに出会うことも多く、彼らと情報交換したり、自分の国での釣果写真などを見せ合ったりするのも大きな楽しみの1つです。もちろん釣り人はルアーマンだけではなく、有名なポイントでは、餌釣り師が並んでのべ竿を出している光景を見ることができます。

アムステルダムで釣れる主な対象魚

水辺はそこら中にあるのですが、埠頭などを覗き、川幅や水深など、フィールド規模が小さい場合が多いのがアムステルダムの特徴でもあります。特に中心地の運河などは川幅が非常に狭い場合が多く、こういった市街地での釣りに慣れていないと、”こんなところに魚なんていないよ”と竿を出さずに通りすぎてしまいそうになるポイントがひしめいています。ここではルアーで狙うことができる、アムステルダムのメインターゲットを紹介したいと思います。

パイク

大型ルアーで釣り上げたパイクの様子

オランダのみならず、ヨーロッパ全域でメインターゲットとなるパイク。最大で150cm以上大型になるとされており、アムステルダムにおいてもルアーフィッシングの最人気ターゲットです。どう猛かつ貪欲な性格でも知られており、共食いをしたり、鴨の子供を食べたりと、口に入るものならなんでも食べてしまいます。水鳥を食べてしまうほどどう猛で1mを超えるような魚があの細い運河を泳いでいます。ほんと、びっくりしますよね。
必然的に用いるルアーはビッグベイトなどの大型プラグがメインとなります。回遊性の強い魚ではないため、めぼしい付き場を打ちながら移動していくラン&ガンが基本のスタイルです。付き場はブラックバスなどのフィッシュイーターとよく似ており、船付き場や藻場、橋周りや水門周りなどは一級ポイントとなります。水深1mに満たないシャローエリアでステイしている姿を確認できることもあり、大胆な性格が伺えます。バイトの出るタイミングが少し独特で、一定の速度で動き続けるルアーにゆっくりと付いてきて、真後ろからバイトしてくることが多いです。ルアーとの距離の詰め方が”アオリイカ”にそっくりで、シーバスやブラックバスなどのフィッシュイーターとは少し感覚が違うかもしれません。ファイトは流石にアオリイカではないのですが、細めの見た目とは裏腹に結構引くので、掛けてもきちんとランディングできるポジションからアプローチしましょう。

ワイヤーリーダー必須

タックルは大きなルアーがキャストできて、パイクの引きに耐えられるのならなんでもいいのですが、歯が非常に鋭いので、ワイヤーリーダーは必須アイテムとなります。自分でかしめて持っていくと安く上がりますが、めんどくさい場合は現地釣具店でも購入が可能です。

パーチ

釣り上げたパーチの様子

パーチもオランダでのメインターゲットになります。オランダのみならず、ヨーロッパ中の運河、小さな小さな公園の池、はたまた用水路に至るまで、パイク以上にどこにでも生息しています。アムステルダムの中心地でのアベレージサイズは20cmに満たない小型が多いのですが、最大で50cm程度にまで成長する魚で、小型ばかりと侮ることはできません。付き場や釣り方は基本的にブラックバスとよく似ており、同じようなルアーで釣ることができます。ポーズ中のバイトが多く、スピナーなどでざっくりと探るのはもちろんですが、ここぞというポイントはソフトルアーを用いたダウンショットリグやネコリグなどでじっくりと狙ってみましょう。また大型ほどストラクチャーにタイトについているイメージがあり、テキサスリグなどで藻の中や杭周りをタイトに狙ってみましょう。見た目も少し似ていますが、大型になればなるほど、メバルなどの根魚に似た要素が強くなる気がします。

確実に釣れるターゲット

どこにでもいて、パイクに比べてもかなり数が多い魚なので、時間がない方はパーチの方が確実に釣ることができるターゲットと言えます。魚が小さい分持ち込む道具も少なく済むので、初めからパーチのみと絞ってくれば、大幅に荷物を減らすことが可能です。パーチ狙いの場合、歯が特に鋭いといったこともなく、バスタックルやトラウトタックルでそのまま釣ることが可能なのですが、パイクなど大型魚が外道で食ってくることもあるので、あまり細すぎるラインの使用は避けましょう。

ザンダー

釣り上げたザンダーの様子

ザンダーも最大で1mを超えるとされており、オランダで人気のゲームフィッシュです。スズキとハゼを足して二で割ったような見た目をしており、活性の低いときは、パイクやパーチのように障害物に付いているというよりも、ベタッとボトムに張り付いています。(水族館で確認済み)ちなみにパイクほどではないですが、地味に歯が鋭いので、バス持ちは厳禁です。パーチを狙っているときによく食ってくるのですが、パーチに比べて大きい魚が多いので、本格的に狙うにはパーチより一つ強いタックルを用いた方が無難です。

ボトム攻略が鍵

パーチ狙いの外道で釣れる際は、ボトムでダウンショットリグやネコリグに食ってくることが多いのですが、本格的に狙う場合は、これではテンポが遅すぎるため、重めのジグヘッドリグなどでもっと効率よく探っていく必要があります。

これらのターゲットのシーズンは?

なお以上3種類のどのターゲットも基本的に年中釣ることが可能です。釣具店に貼ってあるカレンダーなどでは3種類とも”6月から3月が良く釣れる”とされているのですが、一年中現地で釣りをするアングラーのSNSなどを覗いていても、いつでもコンスタントに釣れているイメージです。ただ魚のコンディションにおいては冬場から春にかけてが良く、特にパイクにおいては、夏に比べて圧倒的にコンディションの良い魚を狙うことが可能です。

オランダの釣りで必要なフィッシングライセンス

オランダのフィッシングライセンス、VISPAS

ヨーロッパで釣りをする際にはほとんどの地域でフィッシングライセンスが必要となり、オランダもその例外ではありません。一部釣りをするために国家試験にパスし、免許を取らなければいけない国などもありますが、幸いオランダでのライセンスの取得は非常に容易で、VISPASと呼ばれるライセンスをオンラインから購入すればOKです。

夜釣りを除き、追加のライセンスは必要なし

水域や対象魚によっては追加のライセンスが必要なのですが、アムステルダムのルアーフィッシングに限って言えば、それらは必要ありません。なお、アムステルダムでも夜釣りをする場合においては別途夜釣り専用のライセンスが必要なので、注意してください。

魚のランディング、扱いについて

フィッシュグリップを用いてパイクをランディングする様子

オランダのみならず、ヨーロッパで釣りをする場合は、魚のランディング方法や扱いに気を使う必要があります。ヨーロッパにはフィッシュグリップ反対派が多く、またアスファルトの上に魚を寝かしつけての計測、撮影等も批判の対象になる場合があります。過去に仲良くなったアングラーに教えてもらって知ったのですが、聞くと、彼自身過去にSNSにフィッシュグリップでパイクをぶら下げた写真をアップして、軽く炎上した経験があるそうです。

とはいえフィッシュグリップは必須アイテム

とはいえ、特に非常に歯の鋭いパイクにおいて、フィッシュグリップは安全にランディングするために不可欠なツールです。大型ラバーネットとかを用意するといいのかもしれませんが、あんな大きくて魚臭い網を持ってトラムや地下鉄に乗るのは現実的ではありませんし、そもそも日本から持ってくるだけでかなり骨の折れる作業です。またハンドランディングについては慣れていないと失敗した際に手にフックが刺さったり、パイクの歯で怪我をする恐れもあります。

特にSNSにアップする写真には気を使った方が良さそうです

決してフィッシュグリップを使ってはダメ、魚を地べたにおいてはダメ、というわけではないので基本的には問題はないのですが、トラブルの元になるかもしれないので、しっかりと頭に入れておきましょう。

移動方法

アムステルダムでは街中をトラムやバス、地下鉄が走っており、移動に困ることはありません。またどれも1区画も移動距離が小さいものも多く、少しの移動でもこれらの公共交通機関を利用することで、より楽に移動することが可能です。

オランダのSuica、OV-chipkaart

移動の度に切符を買うのはややこしいしめんどくさいので、OV-chipkaartという、日本でいうところのSuicaやIcokaのようなカードを購入することをお勧めします。Suicaなどと同様に、駅構内にある券売機で簡単に購入可能です。

アムステルダムの街中を走るトラムの様子

移動時、少し歩いて移動する程度なら問題ありませんが、公共交通機関を利用しての移動の場合は完全にタックルを仕舞ってから移動する方が良いでしょう。フックやルアーを仕舞うのはもちろんですが、ラインもリールに巻き込み、ロッドも可能な限り折りたたんで持ち運びましょう。

実釣時の注意点

周りの人々への配慮が最重要です

釣りをする際、周りの人への配慮が釣りうんぬんよりも重要です。特に市街地で釣りをする際は、観光客が非常に多いエリアも多いため、キャストの際、アワセを入れる際などは細心の注意が必要です。

アムステルダムにある自転車道の様子

とにかく自転車の多い自転車大国オランダ

また自転車大国で有名なオランダには、非常に自転車に乗る人が多く、釣りをする真後ろにこのような自転車道が設けられていたりします。釣りをする際はもちろん、移動の際などにも彼らに気をつける必要があります。オランダは日本と違って右車線なのですが、慣れないうちは、どんなに注意していても日本とは反対方向から走ってくる自転車に注意を怠ってしまうので、気をつけましょう。

釣り禁止区域がわかりにくいので注意

オランダに限らず、海外の場合は釣り禁止区域がよくわからなかったりするので注意が必要です。日本同様で、水門付近、船乗り場等は釣り禁止エリアが多いので、釣りを始める前に周りをぐるっと見渡して、釣り禁止の看板、張り紙等がないかしっかりと確認しましょう。

ハウスボートに注意

オランダにはハウスボートと呼ばれる寝泊まりできるボートで暮らす人たちがいるのですが、筆者は1度ハウスボートの横で釣りをしている際、「ロープに引っ掛けられたら嫌だから、ここで釣りしないでくれ」と、理由を言われたことがあります。禁止の看板等がなくても「ここで釣りはしないで」みたいなことを言われたり、釣りをしたらダメそうな雰囲気がある場所での釣りは基本的に避けましょう。

トイレの場所を押さえておく

アムステルダムにある男性用公衆便所

街の至る所にある男性用小便器

どの街で釣りをする際も絶対に抑えておく必要のあるトイレの場所ですが、アムステルダムは街中のいたるところに公共の男性用小便器が設置されており、男性が小便をする際にあまり困ることはあまりありません。

個室トイレが少ない・・・

女性用のトイレや個室トイレも過去に設置をしたそうなのですが、残念なことにそのほとんどが多くの麻薬中毒者に使用され、最終的に排除されてしまったそうです。女性がトイレをする場合、また男性も大がしたくなったら、カフェやマクドナルド、また街中の公共トイレでも便座のある個室トイレを探す必要があります。なおGooglemapで検索すると最寄のトイレ、カフェなどがすぐにわかります。ただ日本と違って、それらはほとんどの場合50セントを支払う必要があるので、しっかりと小銭を用意しておきましょう。

まとめ

美しい街並みと素晴らしいポテンシャルのフィールドを持つオランダ、アムステルダム。ライセンスの取得が比較的容易な点、また足場の低いポイントが多く、大型魚がヒットした際にランディングネットを使わずにハンドランディングできるポイントが多いという点など、旅行のついでに簡単に釣りができるフィールドと言えます。ヨーロッパ最大級のハブ空港、スキポール空港があることでも有名で、直接目的がなくても、経由地として訪れることも多い街です。もし訪れる機会があれば、観光をするだけではなく、ぜひとも一度アムステルダムでの釣りにトライしてみてください。

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