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2019年8月10日更新 4738

自然と一体となる感動!カナディアンカヌー初心者でも楽しめる魅力とポイント

みなさまはカナディアンカヌーをご存知でしょうか?手軽なレンタルボードとは少し勝手が違うためにカナディアンカヌーの経験がある方は少ないのが現実です。この記事を読んで、カナディアンカヌーの魅力や楽しみ方をぜひ知って頂ければ幸いです。一般的な手こぎボートやカヤックとは一線を画しカナディアンカヌーでしか体験できない魅力があります。

OutSeekers編集部

OutSeekers編集部

1.カナディアンカヌーとは

初心者でも楽しめるカナディアンカヌー

初心者でも楽しめるカナディアンカヌー

カナディアンカヌーは初心者にも楽しめる、ウォータースポーツの楽しさを存分に体感させてくれるアクティビティです。そもそも水の上をクルージングする小舟には、カヌーとカヤックの2種類があることはご存知でしょうか?カヌーとはパドルで漕ぐ小舟を指します。その意味ではカナディアンカヌーとカヤックとは同じカテゴリーの小舟であることには変わりありません。カヤックも一般的にはカヌーと呼ばれる場合も多いのが通例です。
もちろんカヤックは圧倒的なファンやユーザーのいる素晴らしいカヌーの一種です。激流を漕ぎ下ったりスポーツ競技としてスラロームをくぐり抜けたりする興奮は他の競技ではとても味わうことはできません。一度でもカヤックを経験すればその素晴らしさに大半のアウトドアマンは魅了されることでしょう。

カナディアンカヌーの魅力

カヤックに比べると船の重量はあるもののカヌー全体が安定しており安全で漕ぐのが簡単。ライフジャケットさえ確実に身に付ければ安心です。
カヤックは左右両方に水掻きが付いている「ダブルパドル」を巧みに操って操船します。重量が軽い分推進力はカナディアンカヌーよりもありますが左右バランスを保ちつつ素早い「パドル裁き」が要求されます。
カナディアンカヌーはカヤックとは異なり、のんびりと舳先と進行方向を見ながらパドルを漕ぐことができます。この場合使うのは片側に水掻きが付いている「シングルパドル」です。ダブルパドルよりも軽量で女性や初心者でも何ら問題なく水を漕ぐことができます。
圧倒的にスピードが出るのはカヤックですが1人でもある程度の速度で操船する事はできます。2人で乗船すれば前後に分かれてパドルを漕ぐことでより速度を上げることも可能です。シーカヤックのように波のある海原をスイスイ進んでいくことはカナディアンカヌーにはできませんが(よほどの凪ぎであれば可能です)湖や「リバーツーリング」にカナディアンカヌーは最適です。大好きな犬などのペットとともにのんびり川下りする楽しみは、有名なカヌーイスト「野田知佑」さんが、エッセイや小説で紹介している通りです。興味がある方はぜひ一読することをおすすめします。野田さんの作品は、いずれもカナディアンカヌーの魅力に満ちあふれた作品です。
カヤックを操船する上では、急ターンの方法や転覆した際の「沈脱(セルフレスキュー)」のテクニックを身に付けなければなりません。どちらの方法も慣れてしまえば大したテクニックではありませんが、初心者の内には専門スタッフの元である程度のトレーニングが必要です。特に「沈脱」と呼ばれるセルフレスキューは、転覆したカヤックから、安全かつ素早く脱出する重要なテクニックです。カナディアンカヌーを操船する上では、余程のことが無い限りカヌーを転覆させることはありませんので、特に沈脱をマスターする必要は無いと考えます。
カヤックはスピードや激しい渓流さえも難なく漕ぎ下ることが楽しみの一つです。それに対してカナディアンカヌーの魅力は水の上をゆったり周りを見渡しながら自然と一体になれる幸せではないでしょうか?甲乙付けがたい魅力を持ったカヤックとカナディアンカヌー。自然派のアウトドアマン、アウトドアウーマンにはぜひカナディアンカヌーをおすすめします。

カナディアンカヌーを安全に楽しむために

カヤックのような急ターンやセルフレスキュー「沈脱」のようなテクニックは要らない代わりに、カナディアンカヌーを操船する上で、最低限守るべきルールやテクニック・マナーがいくつかあります。

カナディアンカヌーのマナーとルール

カナディアンカヌーに乗船するのは、可能な限り風の少ない穏やかな晴天がおすすめです。台風の後のような増水した河川や波立った湖にカヌーを漕ぎ出すのはやめましょう。ある程度の安定性はカナディアンカヌーにもありますが、横波や横揺れに弱いのも事実です。不用意な転覆は荷物がすべて浸水するだけで無く大怪我の元です。
カナディアンカヌーに乗船する時には、必ず「ライフジャケット」を身に付けましょう。カヌーで漕ぎ出す湖の先には、数十メートルもの深さがある危険な場所が待ち受けています。ほんの短い時間だけだからとか、浅瀬でしか遊ばないからとかいうのは絶対にNGです。思ってもみなかった安全な場所で、過去痛ましい水難事故が幾例も発生しています。特に、子供連れのお父さんには、肝に銘じて欲しいルールの一つです。
リバーツーリングや湖内のショートツーリングを楽しむには、カナディアンカヌーにお昼ご飯やイステーブルなど、快適なアウトドアギヤを積み込むのが一番です。注意して欲しいのは、その荷物の積み込み方です。積載量オーバーは無論NG。安定性を失うだけでなく、極端に推進力を失います。また、カヌーの前後いずれか、左右のいずれかに偏って荷物を積み込むのは大変危険です。少しでも横波を受けただけで転覆します。程よい重量の荷物を、前後左右バランス良く積み込むことがポイントです。
女性や子供を乗船させる時には、舳先に向かって前の席に着座させて下さい。カヌーを推進させる上でも、メインの漕ぎ手は後ろの座席に着座して下さい。前の席に座る子供や女性がうまくパドル操作できなくても、後ろに座っているあなたがそれを補正すれば、カヌーは思った場所にまっすぐに進んでいきます。ご安心下さい。
交通ルールのない河川や湖ですが、最低限のマナーを守って下さい。例えば、カヌーに持ち込んだ飲み物や食べ物を、水の中に投げ捨てたり、あまつさえごみを捨てたりするのは絶対にしてはいけません。また、故意にカヌーを他のカヌーに接近させるのは危険です。適度な間隔を守り、互いに快適なツーリングを楽しんで下さい。
以上がカナディアンカヌーを操船する上での注意点やテクニック・マナーです。特にカナディアンカヌーで転覆するのは真夏でも避けたい最大のアクシデントですが晩秋など肌寒い季節に転覆したらさらに悲惨です。

実際に目の前で起こったアクシデントですが秋深まる10月、桟橋で乗船しようとした二人の親子連れがいました。はしゃいだ男の子が船に飛び乗った瞬間、目の前でカヌーはそのまま見事転覆し、慌てて周りの大人達が冷たい水に飛び込んで、船底にいる子供を救出するという惨憺たる有様でした。くれぐれもご注意下さい。

2.「首都圏発」カナディアンカヌーおすすめのポイント

初心者の間は常に流れのある「リバーツーリング」よりも水面が穏やかで発着点が同じ場所で済む湖がおすすめです。シングルパドルは流れに逆らって進路変更する時に、ちょっとしたコツが必要です。ある程度カナディアンカヌーの操縦法に慣れてきてからリバーツーリングに出かけて下さい。初心者の方におすすめの場所を二つご紹介します。

栃木県「中禅寺湖」

光の海に包まれた夕景の中禅寺湖

面積11.9平方キロメートル標高1,269メートルにある中禅寺湖は約2万年前に男体山の噴火によってできた堰止め湖です。自然にできた湖として日本一高い場所にある湖としても有名です。中禅寺湖及び周辺の戦場ヶ原一帯は「日光国立公園」に指定され四季を通じて多くの観光客が訪れている観光スポットです。
中禅寺湖の周辺には土産物屋や飲食店も数多い一大観光地ですが中心部を離れれば、カヌーやカヤックを楽しむのに最高の場所の一つです。特に北側の国道沿いの浜辺は遠浅の砂地が続きカヌーを漕ぎ出すのに絶好のポイント。周囲には貸しボートやプレジャーボートのレンタル店も多いのでカナディアンカヌー以外の楽しみも満載です。北西部の湖岸には人気の高い自然一杯のキャンプ場もいくつかあるので、カヌーとキャンプの両方を一度に楽しむ事ができます。帰りには、近くにある湯元温泉や中善寺温泉で一汗流すのも良いでしょう。

中禅寺湖アクセス:車

東北自動車道路「宇都宮IC」経由-日光宇都宮道路で終点「清滝IC」で下車。国道120号で「いろは坂」を20分ほどで登りきると中禅寺湖です。

山梨県「河口湖」

富士山の麓にある富士五湖の一つが「河口湖」です。霊峰富士山を真正面に臨み、年間を通じて観光客の多い河口湖周辺には、いくつものカヌースクールが開設されています。カナディアンカヌーには乗ってみたいけど、初めてで自信がなく不安な初心者にはピッタリのロケーションや環境です。
年間を通じてカヌースクールは開設していますが、体験コースなら大人1人の料金は約6,000円程度です。ライフジャケットやパドル付きなので、何も持って行く必要がありません。公式認定資格を持った丁寧なガイドが、そばで付き添うように漕艇してくれるので、特に初心者向きと言えるでしょう。雄大な富士山の裾野で、快適なカヌーライフを楽しむ事ができるのが山梨県にある「河口湖」です。

河口湖へのアクセス:車

中央自動車道「大月JCT」経由-河口湖IC下車10分

まとめ

裏磐梯高原の湖とボート乗り場

カナディアンカヌーにはカヤックには無いたくさんの魅力があります。漕艇の方法もカヤックに比べれば初心者向きで安全です。ライフジャケットを必ず身に付け最低限のテクニックを身に付けるだけでほぼ初心者でも十分楽しむ事ができます。この記事の中でもご紹介した通り、カナディアンカヌーの魅力は「レイクツーリング」や「リバーツーリング」を楽しめることです。ただし初心者の間は流れのないレイクツーリングが特におすすめです。
カナディアンカヌーは厳冬期を除けば(厳冬期にも楽しんでいらっしゃるユーザーも現にいますが)四季を通じて楽しむことのできるウォータースポーツです。お子さんを連れて出かけたり大切なパートナーを連れ出したりしながら、素敵なカヌーライフを楽しんでいただければ幸いです。

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