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2019年8月22日更新 1907

1匹100万円も夢じゃない?人気観賞魚・アロワナを釣る!ブラジルでルアー実釣

観賞魚としてのイメージが強いアロワナ。日本ではあまり認知されていませんが、実はルアーフィッシングで人気のターゲットでもあります。この記事ではアロワナの生態や主な種類、実際の体験に基づいたオススメのルアータイプやポイントなどについて解説します。

Itsuki Kozaki

Itsuki Kozaki

ドイツ在住調理師アングラー

主に南アメリカ、オーストラリア、東南アジアなどに生息し、最大100cmを超えることもある古代魚、アロワナ。その姿は恐竜が生息していた時代からほとんど変わっていないと言われています。また龍に似たその独特の姿から、中国では”龍魚“と呼ばれており、縁起のいい魚として扱われていることでも有名です。お目見えするだけでも縁起が良さそうな野生のアロアナですが、そんなアロアナをブラジルで釣ってきました!ただ釣るだけでは面白くないので、主観はありますが、アロアナの習性を分析した上で、釣れやすいルアーを検証してきましたので、ご紹介いたします。

観賞魚として大人気。1匹100万円の超高級魚

一般的にアロワナといえば、観賞魚として熱帯魚店で売られている姿を想像する方が多いのではないでしょうか?実際に、美しいシルエットにゆっくりと泳ぐその独特の風貌に魅了され、日本でも観賞魚として飼っているファンが非常に多いことでも知られています。珍しい個体ともなると、1匹50万円、100万円と、自動車が買えてしまいそうな価格で取引されることもあり、ある意味”超高級魚”と認識することもできます。また飼育法が確立されていることから、養殖個体を天然個体に比べて安く取引する市場も存在しており、観賞魚としての確たる地位を築いている魚です。全体のフォルムといい、泳ぎ方といい、ウロコの並び方に至るまで、本当にかっこいい魚ですよね。観賞魚として人気があるのも頷けます。
熱帯魚ストアで販売されているアロワナの幼魚の様子
(ホームセンターのアロワナの幼魚、10,000円ほどで販売)

優雅な見た目とは裏腹に非常にどう猛な性格

優雅なその姿とは裏腹に、アロワナは非常にどう猛な性格をした肉食魚としても有名です。その大きな口で小魚や甲殻類、はたまた木の上にいる虫にまで飛びかかって食べてしまうことでも知られており、飼育下においても、壁にいるゴキブリや飛んでいるハエなどを食べようと水槽から飛び出してしまうことがあるほどです。またそのどう猛な性格はエサとなる生き物に対してだけ向けられるものではありません。とにかく縄張り意識が強い魚であることでも非常に有名なアロワナ、同じ泳層に生息する魚、特に同じ種類に対して非常に攻撃性が強く、同じ水槽に2匹アロワナを入れると、一方がもう一方を攻撃して殺してしまうということも多い魚です。また特に攻撃性の強い種類は、同じ泳層の魚だけではなく、底付近にいるナマズなどに攻撃を仕掛けてしまうこともあり、飼育の際は注意が必要な魚です。

あまり取り上げられないアロワナフィッシング

それほどどう猛な肉食魚で、あれだけかっこいい見た目をしており、さらに最大100cmを超える魚ともなると、もちろん釣り人が放っておくはずはなく、世界的に有名なルアーフィッシングのターゲットでもあります。一方で、日本国内でアロワナといえば観賞魚としてのイメージの強さとは裏腹に、あまり釣りのターゲットとして認知されていません。もちろんあまり認知されていない大きな理由として、基本的に日本国内で狙える魚ではないという点(最近はタマゾンこと多摩川や、沖縄の野池などで目撃情報があるそうです)があげられますが、とはいえタイランドやオーストラリアで狙えるバラマンディ、主に南米大陸で狙えるピーコックバスは日本でも有名なゲームフィッシュとして立場を確立しており、それらを釣るためだけに海外へ出向くアングラーも少なくありません。
今回はバラマンディやピーコックバスと比べてまだあまり知られていない、ゲームフィッシュとしてのアロワナについて紹介したいと思います。

アロワナ4種類の特徴と釣り情報

世界的にみると、赤道周辺の国々を中心に意外と広範囲に生息しているアロワナですが、全て同じ種類ではありません。種類によってサイズや見た目、取引される際の価格、性格やルアーへの反応なども変わってきますので、簡単に代表種と釣り情報を紹介したいと思います。

1.「シルバーアロワナ」は虫を意識している個体が多い

飼育されているシルバーアロワナの様子

南米を流れるアマゾン川の幅広い範囲に生息しており、アロワナの中では最も大型になる種類の1つです。いわゆる”泥濁り”色の水域に多く生息しており、大型になることからも、現地では食用魚としても一般的です。川の本流にはあまり生息しておらず、基本的には虫や小魚などの餌になる生物の多い岸辺や水没林などをルアーで打っていくのが基本的な釣り方です。水没林などでは、虫を強く意識している個体が多く、そういった個体はフライでも攻略が可能です。

2.「ブラックアロワナ」はアマゾン川支流のネグロ川に多い

こちらも南米原産のアロワナで、アマゾン川水系の支流であるネグロ川水系に多く生息しています。画像のような、ブラックウォーターと呼ばれるお茶のような色をした水質を好み、生息域はシルバーアロワナ と少し異なります。シルバーアロワナ に比べると少し小型の種類ですが、同じく虫や小魚を意識して水没林などに生息しており、ルアーやフライで狙うことが可能です。性質もシルバーアロワナ によく似ており、本流はあまり好みません。

3.「サラトガ」は縄張り意識でアタックしてくることも

飼育されているサラトガの様子

オーストラリアやパプアニューギニアに生息する種類。一般的にシルバーアロワナ など南米で釣れるアロワナに比べて小型が多いのですが、正確も非常にアグレッシブでルアーフィッシングに良く向いています。他のサラトガに比べて特に縄張り意識が強いことで有名で、飼育する際に混泳してしまうと、高確率で一方の個体がもう一方を殺してしまうことでも有名。必然的にルアーへの反応の仕方も、捕食目的だけではなく、縄張りに入ってきた際の攻撃の意味でルアーにアタックしてくることも多い魚です。オーストラリアの北部には近縁種にノーザンサラトガがおり、非常に良く似ていますが、生息エリアが若干異なります。

4.「アジアアロワナ」の過去最高値は3,200万円

飼育されているアジアアロワナの様子

上記のアロワナの中でも最も天然個体が少なく、観賞魚として取引される際、最も高額に扱われているのがこのアジアアロワナです。マレーシアやインドネシアなどのアジア地方に生息しており、ワシントン条約で指定されている絶滅危惧種でもあります。とくに希少で高額なのは画像のような赤い個体など、普通とは色の違う個体。どれぐらいの価格帯で取引されているかいうと、過去、最高額は30万ドル、日本円に換算すると約3,200万円!と言われています。びっくりしますよね。もう車どころか新築一軒家レベルです。
ちなみにワシントン条約に指定されていても釣りをすることには問題ありません。ただアジアアロワナの生息域には釣り禁止区域や立入禁止区域が多く、他のアロワナに比べて圧倒的に釣りをするのが難しい魚であることは間違いありません。また今後釣り禁止区域や立入禁止区域はほぼ間違いなく増えていくので、釣りに行く際は現地で最新の情報をチェックしましょう。

ブラジル・アマゾン川支流で実際に釣り上げた

筆者は飼育にこそ興味はなかったものの、あのフォルムといい泳ぎ方といい、いつかは釣ってみたいとひっそりと憧れを抱いている魚でした。日本からだと竿を出す前に釣れる場所に行くこと自体が大変なターゲットですよね。数年前、ブラックアロワナの生息域であるブラジル・アマゾン地方のアマゾン川支流ネグロ川へ渡航する機会があったので、実際にブラックアロワナを釣ってみました。ブラジルなので距離こそ遠いですが(欧州乗り継ぎで30〜40時間ほど)、アジアアロワナなどに比べて釣りをすること自体が容易ですし、そもそもポイントも魚数も多いので、距離の問題さえ除けば最も簡単に釣れる種類のアロワナかなと考えています。

現地では食用魚。熱帯魚マニアも驚きのぞんざいな扱い

ブラジルの魚市場で売られているアロワナの様子

ブラジルのサンパウロから飛行機で3時間ほど行くと、マナウスというアマゾナス地方にある街があります。”アマゾンの玄関口”とも呼ばれているマナウスには、アマゾン川でとれた魚が並ぶ有名な市場があり、観光地としても非常に有名です。筆者もマナウスに着いたその日に行ってみたのですが、魚の少ない午後にも関わらず、あっさりと大きなアロワナを見つけることができました。日本では大きな水槽でしっかりと水温を管理して、丁寧に丁寧に扱われている高級観賞魚ですが、現地ではこのように氷も引いていない台の上に重ねて売られています。熱帯魚マニアが見たらびっくりしてひっくり返りそうな光景です。ちなみに味は淡白な白身をしており、同じくアマゾン川を代表する魚、ピーコックバスやピラニアに比べるとあまり美味しくないとのこと。今思えば昼過ぎに行ってもやたらとアロワナだけたくさんあったのは、人気がなくて売れ残っていたのかなという感じです。また、もう一つ人気のない理由として、お世話になったガイドが、「これは虫がいるから刺身で食べたらダメだよ」と教えてくれました。美味しくないだけでなく寄生虫のリスクまで・・・ちなみに日系移民の多いブラジルでは刺身はしっかりと定着した調理法です。

アロワナ釣りのポイント

アマゾン川のジャングルの中をボートで進んでいく様子

マナウスから船と車でさらに5時間ほど移動したところにある大きな湖で、ガイドに船を出してもらいました。筆者が渡航した当時は雨季で、水量が増えてしまい、魚の密度が薄くて釣り難いとされており、ピーコックバスやピラニアからのバイトは非常に少なかったのですが、アロワナからのバイトは比較的多い状況でした。水量が増えて、ジャングルが水没したような状況でしたので、虫が大好物のアロワナからすると活性の上がる状況だったのかなと考えています。また魚の密度の問題は、それぞれに縄張りがあって一箇所に何匹もいる魚ではないので、ここぞ!といういい感じに木の生い茂ったエリアにはしっかりとアロワナが付いているような感じで、他の魚ほど魚影の薄さは感じませんでした。

アロワナ釣りに必要なルアーをレビュー。トップウォータープラグのみでOK

筆者の渡航目的はアロワナだけではなかったのですが、数週間に渡りアロワナの生息域であるネグロ川でいろんなルアーを投げてみました。結果、他の魚ではなく、アロワナを釣りたい場合はトップウォータープラグだけでOKかなと感じました。理由は以下の3つです。

理由その1:ほとんどの場合、アロワナは水面を意識している

釣り上げたアロワナの大きな口の様子

アロワナは大きな受け口をしており、自分の頭上にいるエサを食べるのに適した形の口をしている魚です。また水面直下を泳いでいることが多く、主に木の上から落ちてくる虫を意識してます。これらの点から、潜るルアーよりもトップウォータープラグのほうが効率良くアプローチが可能です。

理由その2:潜るルアーだと他の魚が釣れてしまう

ブラックアロワナの生息域以外でアロワナ釣りをしたことがないのではっきりとは言い切れないのですが、アマゾン地域などは特に、ピーコックバスやピラニアなどの他のフィッシュイーターが先にルアーに食ってきて、なかなかアロワナからのバイトを得られないことが多いです。実際に釣りをした湖で、アロワナを釣りに来た外国人アングラーに出会ったのですが、ピーコックバスばかり食ってきて狙いのアロワナがなかなか釣れないとのことでした。トップウォータープラグを使うことでピラニアは避けられるので、それだけでもアロワナに出会える確率は上がります。

理由その3:そもそも根掛かりして釣りにならないポイントが多い

アロワナが潜んでいるブッシュの奥や、ミノーが底を擦ってしまうほどのシャローで潜るルアーをキャストしてしまうと、木や草を釣ってしまって釣りにならないことも多いです。つまり、そもそも潜るルアーが使えないポイントが多く、そういったポイントではトップウォータープラグを使用するほかありません。



ポッパーやスイッシャーでもバイトはでますが、ペンシルにバイトが多い傾向にあります。ペンシルのうちオススメはシーバス釣りなどで定番のモアザンソルトペンシル(旧TDペンシル)です。一概には言えませんが、一般的に虫などのベイトを意識している個体には、水面をバチバチ叩くような強いアクションは好まれないように感じました。

引きはかなり強い!釣り用品は太軸フック必須

釣り上げたアロワナを背中側から見た様子
100cm近く大型になるアロワナですが、上からみると身幅が薄く、また動きもスローで、あまり引きが強そうな見た目をしていません。しかし実際はかなり引きが強い魚で、またジャンプやローリング、横移動が多いので、簡単にフックを伸ばされてしまいます。フック伸びに関しては太軸フックにすれば対応可能なのですが、アロワナの口周りは非常に固く、太すぎるとフッキング率が下がってしまいます。またルアーのアクションにも支障をきたしますので、手持ちのルアーにいろんな大きさ、太さのフックをつけて泳がせ、可能な限り太軸の用品をセットしましょう。


カルティバのST-56シリーズからルアーに合うサイズのフックを探せばOKです。ST-66だと重すぎてルアーが沈んでしまったり、アクションを殺してしまいますし、ST-46だと細すぎてファイト中に伸びちゃいます。

アマゾン地方では比較的釣りやすい魚

観賞魚としてのイメージが強いですが、その優雅なイメージとは裏腹に、どう猛な性格と強いパワーを持ち合わせた釣りのターゲットでもあるアロワナ。また現地では食用としても扱われている魚でもあります。確かにポイントこそ海外で遠いですが、行ってしまうと案外簡単に釣れる魚なので、機会があればぜひ一度トライしてみる価値のある魚です。また繰り返しになりますが、特にアジアアロワナに関して、釣り禁止区域や立入禁止区域など、これからますます厳しくなっていくことが予想されるので、釣りに行く際は必ず現地での最新の情報をチェックしましょう。

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