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2019年9月9日更新 21907

タミヤ1/12「ホンダモンキー125」製作レビュー(道具、費用、時間)

2019年の6月にタミヤ模型から発売されたプラモデル、モンキー125の製作がメチャクチャ楽しい!普段は仕事で忙しい方も、少しの空き時間や週末にコツコツ製作していけば、モンキーの愛嬌あるフォルムが手のひらサイズで現れます!本記事では、モンキーの製作を通して、プラモデル作りの楽しさを少しでもお伝え出来ればと思います。ストリートを走るバイクのプラモデルを自分の手で作り上げる面白さを是非体験してみてください!

OutSeekers編集部

OutSeekers編集部

1.時代を超えて愛される「ホンダモンキー」の魅力とは

1967年ホンダから発売されたモンキーは、排気量50ccながらトコトコ走る面白さや見た目の愛嬌、パーツのカスタマイズの多様さなどから国内はもとより世界中で多くのファンを持っています。50年もの間、多くのバイカーを満足させてきたモンキーは、2017年惜しまれつつも生産終了となりました。しかし東京モーターショー2017で、排気量が125ccに拡大されたモンキー125が出品され、2018年に正式発売される事が発表されました。愛くるしいモンキーが排気量を増してパワーアップして復活するというニュースに、従来のモンキーファンは喜んだ事でしょう。新しい新型モンキーは、「アソビの達人」をテーマに開発され、サイズが大きくなったものの、前後長を短くし、ボリュームを持たせた上に太いタイヤを装着して、往時のモンキー50ccの踏ん張るような台形フォルムを見事に継承しています。

実は筆者も学生の頃に先輩のモンキー50ccを借りて乗っていた事がありました。モンキーの乗り心地の面白さは知っているつもりですので、デザインを引き継ぎつつも大きくパワーアップを果たした新型モンキー125にも是非乗ってみたいです(ボーナス貯めて買おうかな)。

タミヤ1/12モンキー125のプラモデルの特徴

タミヤモンキープラモデルの外箱

今回製作したプラモデル、タミヤ1/12モンキー125は実物の持つコンパクトな感じとドッシリとした台形のフォルムを忠実に再現しています。筆者は過去にバイクに乗っていた事もあり、エンジンやリアホイールなどを組み立てていると「こういう構造になっていたんだ」と気付く事が多く、作業自体が楽しかったです。組み立てが進んで少しバイクらしくなってくると、自分の手でここまで作り出せたのが嬉しくて、手を止めてまだ前輪がついていない状態のモデルをしげしげと眺めていました(早く作りましょう)。そう思えるのは、しっかりとしたパーツ設計がなされているからこそでありますので、改めてタミヤ模型さんの技術力の高さに感服した次第です。

2.これまで販売されてきたモンキープラモデルラインナップ

本記事で製作しているタミヤ1/12モンキー125のプラモデルは、2019年発売の最新モデルですがレジャーバイクとして人気の高いモンキーはこれまでにも幾つかのバージョンが各メーカーから発売されています。1/12スケールのモデルでは、青島文化教材社とフジミ模型からそれぞれ数種類発売されており、タミヤ模型からも1/6スケールのモデルが発売されています。特にフジミ模型のモデルには、くまモンバージョンや白バイバージョンなどがありますので、バイクファンのみならず、ご当地モノや警察モノ(?)のファンにとっても購入意欲をくすぐられるラインナップとなっています(くまモンモンキー欲しいです)。

3.合計いくら出せば作れるのか

①素組みプラス塗装で作製した場合の費用

実車の雰囲気を見事に再現しているタミヤ1/12ホンダモンキー125のキットを完成させるには、どの位の費用がかかるのか、およその金額ですが下記の通りお伝え致します。

  • タミヤ1/12ホンダモンキー125:2,500円
  • ニッパー:600円
  • 棒ヤスリ(平型):200円
  • 接着剤(通常タイプ):200円
  • 接着剤(流し込みタイプ):300円
  • ピンセット:250円
  • 塗料用品:約2,300円
  • 合計:6,350円(税抜)

※塗料用品代は、各種塗料代2,000円「TS-34キャメルイエロー(スプレー)、XF-2フラットホワイト/X-18セミグロスブラック/X-26クリヤーオレンジ/X-32チタンシルバー(水性アクリル)、X-1ブラック/X-7レッド/X-11クロームシルバー/X-20シンナー(エナメル)」に筆4本セット代300円を加えたものです。
塗料は、組立説明書に指定されているものを揃えれば間違いないのですが、全て購入するとそれなりの金額になってしまうので、ここでは最低限必要と思われる塗料を使用した際の金額をご紹介致しました。

②ディテールアップを施した場合の費用

  • 上記①合計:6,350円
  • デザインナイフ:900円
  • 紙ヤスリ:200円
  • スポンジヤスリ:300円
  • プラパテ:250円
  • ピンバイス:1,600円
  • 綿棒:100円
  • マークセッター:250円
  • 合計:9,950円(税抜)

普段プラモデル作りをされていない方から見ると少し高いと思われるかもしれません。しかし、ニッパーなどの道具は次回のプラモデル作りで使えますし、飲み会一回の金額でこの先ずっと楽しめるかもしれない趣味の第一歩を踏み出せると思って頂ければ、決して高い金額ではないと思います。

プラモデル作りは本当に楽しいです。修正ややり直しなども多々ありますが、それも含めて楽しいのです。上記の金額を参考にして頂いて、今度の週末の過ごし方の選択肢の一つにプラモデル作りを加えて頂けたら、筆者として本当に嬉しいです!

4.どれくらいの時間で作れるのか

ホンダモンキープラモデル

今回のモンキー製作に費やした期間は、塗料の乾燥時間も含めて約3週間程で、作業の実時間は10時間程でした。筆者も昼間はサラリーマンとして仕事をしていて、プラモデル作りに取り組めるのは平日の夜か土日の休日のみであります。今回のモンキー125の製作においては、作業期間が約3週間と長くなってしまいましたが、エンジン、ハンドルなどの部品が少しづつ完成していくと嬉しいもので、製作意欲が落ちる事はなく完成させる事が出来ました。完成した部品をスマホで撮って、昼間の仕事の合間に眺めるというのも、モチベーションを維持するコツかもしれません!

5.モンキー125の制作に必要な道具

モンキー製作に必要な道具を、①必須の道具②あると便利な道具、の2つに分けてご紹介したいと思います。

①これが無いと作業が出来ない必須の道具

  • ニッパー
  • 棒ヤスリ(平型)
  • 接着剤
  • ピンセット

モンキー 製作道具(必須)

プラモデル作りで必要不可欠な道具は、基本的には上記の4つで良いと思います。改造などをしない「素組み」であれば、これで十分事足ります。最近発売されているプラモデルは、素組みでも十分見栄えの良い仕上がりになるように設計されているモデルが多く、タミヤ1/12モンキーも素組みで立派なモデルを仕上げる事が出来ます。ニッパーでパーツをランナーから切り離し、パーツに残ったランナーを棒ヤスリで丁寧に削って、パーツ同士を接着剤で接着する。この一連の作業を、組立説明書の手順に従って丁寧に進めて部品を一つずつ組み上げていけば、十分満足のいく仕上がりになると思います。

今回のモンキー製作では、ちょっとしたディテールアップやパーツ塗装、デカール貼りなどを施してありますので、後でご紹介しておりますようにピンバイス綿棒などを使用していますが、モンキー製作に限らずプラモデル作りにおいて必須の道具は上記4種で十分だと思います。
上記4種の道具は模型店でなくてもホームセンターでも購入出来ますので、ベランダの園芸用品を買うついでにニッパーなども購入して、少しづつでも組み立てて行けば、やがてご自分だけのキットが完成することでしょう。時間をかけて作ったキットを愛でながらウイスキーのロックでも飲み干せば、日常の煩わしさから解放された充実したひと時を、きっとご経験出来ると思います!

モンキー125の製作に必須の道具4種の解説

ニッパー
プラモデルのパーツは、ランナーと呼ばれる枠で繋がっていて、ニッパーはランナーから必要なパーツを切り離すのに使用する刃物です。これが無くてはプラモ作りは始まりません。武士にとっての刀芸人にとってのマイクが、私たちサラリーマンモデラーにとってのニッパーなのです。タミヤ模型から発売されているプラモデル用ニッパーが、使い心地や値段など含めて間違いの無い一品と言えるでしょう。

棒ヤスリ(平型)
ニッパーでランナーから切り離し切り離したパーツは、そのままではランナーが残っていることが殆どで、この残ったランナーを削り落とすのに使用するのが棒ヤスリです。棒ヤスリには大きく分けて平型と丸型の2種類があります。丸ヤスリは曲面を研磨する際に使用すると便利ですが、基本的には平型の棒ヤスリで大体のヤスリがけ作業は完了出来ます。また、棒ヤスリの中でも大きさや研磨対象などにより結構な種類がありますが、モンキー製作で使用する棒ヤスリとしてはプラモデル用のもので十分です。

接着剤
モンキー製作で使用する接着剤は、タミヤ模型から販売されているプラモデル用接着剤が、唯一無二と言って良いでしょう。現在、タミヤ模型から販売されている接着剤は、パーツの接着箇所に塗って接着するタイプ(通常タイプ)と、あらかじめパーツ同士を合わせておいて、合わせ目に接着剤を流し込むタイプ(流し込みタイプ)の2種類があり(他にもエポキシ接着剤や瞬間接着剤などもありますが、これらの接着剤については、いずれ機会があればご紹介させて頂きます)、パーツの形状や接着面の大小などによって、この2種類の接着剤を使い分けると作業がはかどります。モンキーの製作においても、通常タイプと流し込みタイプの2種類があると、とても便利です。バイクや車のプラモデルは、細かいパーツが多いので、従来の通常タイプだと接着剤が余分にはみ出てしまう場合も多いので、そうした際には、流し込みタイプの接着剤を使えば接着剤がはみ出る事も無く、結合面を汚さずに済みますので、とても重宝します。

余談ですが、筆者が子供の頃は流し込みタイプの接着剤などは無く、当時はガンプラを作っていたのですが、細かいパーツとかお構いなしに通常タイプの接着剤を塗りたくって、接着剤がはみ出ても何とも思わなかったものです(筆者が愚かなだけなのですが…)。大人になって流し込みタイプの接着剤を初めて使った時は、無理なく自然にパーツがくっつくので感動しました。筆者同様、流し込みタイプの接着剤の使用経験が無い方でしたら、きっと目からウロコが落ちると思います。タミヤ模型さん流石です!

ピンセット
モンキープラモデルのパーツは細かいパーツが多くあり、こうしたパーツを接着する際などにはピンセットでパーツをつまんで接着させると、作業がグッとはかどります。タミヤ模型から販売されている先の細いピンセットがベストです!

②あると便利な道具

モンキー 製作道具(あると便利)

デザインナイフ

今回のモンキー製作において、デザインナイフはパーツ修正やデカールの切り離しなどで正直メチャクチャ使いました。ですので、必須の道具として扱っても全然良いのですが(プラモ作りに慣れている方達にとってはデザインナイフは必須道具です)、先にもお話させて頂いたように、パーツを組み上げるだけの素組みであれば、デザインナイフは必ずしも必要とは言えないと思いますので、ここでは敢えて必須の道具からは外させて頂きました。

紙ヤスリ

紙ヤスリもデザインナイフ同様、本来ならば必須の道具に分類されるべき使用頻度の高い道具ですが、棒ヤスリでパーツが傷付かないギリギリまで削れば問題無い場合が多いですので、敢えて必須道具から外させて頂きました。

スポンジヤスリ

曲面のパーツをヤスリがけする際は、先にご紹介した棒ヤスリ(平型)だとカーブラインまで削れてしまい収拾がつかない事になってしまう可能性が高いですが、スポンジヤスリであればカーブラインにフィットした状態でヤスリがけが出来るので、非常に重宝します。今回のモンキー製作では、ホームセンターで売っているスポンジヤスリを使ってガソリンタンクなどの曲面の部分をヤスリがけしました。

プラパテ

プラモデル用のラッカーパテで、接着したパーツの合わせ目にパテを塗り込み、乾燥後にヤスリがけすると合わせ目を消す事が出来ます。タミヤ模型から販売されているパテが定番であり、今回のモンキー製作においても、ガソリンタンクの合わせ目を消すのに大活躍してくれました!

ピンバイス

模型製作用の小型手動ドリルです。先端のドリルは直径の異なるものが数種類あり付け替え可能で、たい穴の大きさに合わせてドリルを変えて使用します。穴を開けるとディテールアップになり、仕上がりもグッと引き締まります。
後にもご紹介させて頂いておりますが、今回のモンキー製作ではフロントとリアのブレーキディスクに1mmのドリルで穴を開けて、ディテールアップを図っています。

綿棒

デカールと呼ばれる、のりのついた台紙に付着しているフィルムを台紙からスライドさせてキットに貼りつける際には、綿棒を使ってデカールの位置を調整すると便利です。ご家庭にある普通の綿棒で十分です(普通じゃない綿棒とは?(汗))。

マークセッター

マークセッターは、デカールに対して軟化・接着作用のある液剤で、デカール貼りに失敗して位置がズレてしまった場合などに使用します。
今回のモンキー製作で起こったトラブル(物々しい言い方(汗))なのですが、シートに貼った「HONDA」のデカールが、2〜3日経過したら文字全体にシワが入ってしまいました。下手に触ると文字が破けてしまう状況だったのですが、ここで救世主となったのがマークセッターでした。
マークセッターをごく少量デカールに塗ると、カサカサだったデカールが柔らかくなったので、この機を逃すまいと綿棒でデカールを破かないように慎重に伸ばして、何とか事無きを得ました。ちなみに、綿棒でデカールを伸ばす際には、デカールの内側から外側に向かってそっとなぞるように伸ばしていくとキレイな仕上がりになると思います。
また、マークセッターと同様の効果を持つ商品にマークソフターがあります。マークセッターはデカールの軟化と接着の作用があるのに対して、マークソフターには接着効果は無くデカールを軟化させるだけですので、初めてデカールを貼る方にはマークソフターの方が余裕をもってデカールの位置を調整出来るかもしれません。

各塗料用品

各塗料用品

プラモデルの仕上がりの善し悪しは塗装次第と言っても良い位、塗装はモデルの最終的な見た目を左右するので、作業工程の中で塗装が担う重要性はご理解頂けると思います。もちろん、先にお話ししたように塗装をしなくてもモデルを完成させる事はできますが、組み立てに苦労した分、塗装もしっかり行ってキレイな仕上がりにしたいと考える方もきっと多いと思います。そんな塗装作業に主に使用するのが、プラモデル用に発売されている各種塗料です。

プラモデル用の塗料には、大きく分けてラッカー塗料水性アクリル塗料エナメル塗料の3種類があります。プラモデルの大きさや下地塗りや仕上げ塗りなどによって、この3種類の塗料を使い分けていくのが、多くのモデラーの方達が行なっているやり方だと思うのですが、本記事では、ラッカー塗料は使用せず、水性アクリル・エナメル塗料を使って、またエアブラシではなく筆塗りでモンキーの塗装をしていきます。
ラッカー塗料を使用しない理由ですが、ラッカー塗料は乾燥が早い上、塗膜が強くて劣化しにくく仕上がりの状態が長持ちするので、とても重宝する塗料なのですが、水性アクリル・エナメル塗料に比べて匂いがキツイ為(水性アクリル・エナメルにも独特の匂いはあります。ラッカー塗料の匂いの方が大丈夫という人もいるかもしれません。筆者的にはラッカー塗料が一番シンナー臭が強く、換気に時間がかかると思っています)、専用の模型部屋で作業するという事ではなく、リビングで子供と一緒にプラモ作りを楽しむというスタイルの方にとっては、ラッカー塗料は健康面からオススメできる塗料ではないと感じています。

また、乾燥が早いという事は、それだけ素早い塗装作業が必要という事でありますので、週末のみプラモデル作りを楽しむ方や久しぶりに塗装するという方達にとっては、必ずしも適切な塗料ではないと考えます。
ラッカー塗料はある程度プラモデル塗装に慣れてから使い始めても全然オーケーだと思います。対して、水性アクリル・エナメル塗料は色の伸びも良く、ラッカー塗料に比べて乾燥時間も遅いですので余裕を持って作業が出来ます(これ大事!)。また、水性アクリル塗料はその名の通り水洗いが出来、使用後の筆・塗料皿の洗浄が容易ですので、プラモデル作り本来の楽しみに気持ちを集中しやすいと言えると思います。エナメル塗料の洗浄には専用の溶剤が必要ですが、エナメル塗料は仕上げにピンポイントで少量使うタイプの塗料ですので、使用する量も少なくて済みますので洗浄の負担も少なく、また経済的とも言えます。

今回のモンキー製作においては、基本的には組立説明書に指定されている塗料を使用しました。実際に塗っていると、大きなパーツは水性アクリル、小さなパーツはエナメルとあらかじめ区別されていますので、初めて塗装される方でしたら、指定の塗料で塗装すれば間違いは無いと思います。

6.製作レビュー

全体を通じての製作フロー

タミヤ1/12モンキー製作中

モンキープラモデルの製作フローについては、あまり綿密に順番を決めてかかるとフロー作りで疲れてしまいますし、休息の時間で楽しみながら作っているので細かい計画などは必要ありませんが、組立説明書を見ながら大まかな作業の流れをイメージするのは良いかもしれません。ただ、あくまでもこの段階ではコーヒーでも飲みながら、ぼんやりとしたイメージで大丈夫です。今回のモンキー作製で筆者が行なった製作フローをご紹介しますと、

①組立説明書をザッと見て製作のハイライトを予想する(筆者はNo.14のパイピングが製作のハイライトかなと思いました。理由はバイク全体が描かれていて、No.14の説明が占めるページの割合が大きかったからという単純至極ゆえです)。
②各工程において、塗装してからパーツを接着するのか、パーツを接着してから塗装するのか、を大まかに決めておく。
③ ①、②を踏まえて、基本的には組立説明書の順番通りに作業を進めていく。

という感じでした。

難しかったポイント3点

今回のモンキー製作で難しかったポイントは3つありました。

  1. パイプの取り付け
  2. ガソリンタンクの塗装・デカール付け
  3. フロントフォークの組み立て

①、②は単純に筆者のテクニック不足ゆえなのですが、③は図面と実際のパーツが違っていて、その修正で少し時間がかかりました(とは言え終わってみればいい体験!)。四苦八苦した筆者の経験がもしかしたら読者の方のお役に立つかも分かりませんので、①〜③について簡単にお伝えいたします(どうぞ笑ってやってください)。

①パイプの取り付け

モンキー製作(パイピング)

組立説明書No.14の作業で、作業前に筆者が製作フロー全体のハイライトかなとアタリをつけていた箇所です。ここまで来ると、モンキーの主要部分は取り付けも終わってフォルムを見えているので、あと一息と張り切ってパイピングに取り掛かったら、さあ大変。パイピングは取り付けパーツから細く突き出ている凸部にパイプを嵌め込む作業なのですが、パイプが入らない!マジかーと思いつつも原因を探ると、多くの取り付けパーツには塗装をしていたので、それにより出来た塗膜の分だけパーツ凸部の厚みが増し、パイプが入らなくなっていました。
解決策としては、パイプの先端にデザインナイフで僅かに切れ込みを入れて先端が開くようにして、切れ込み付近をピンセットでつまんでパーツ凸部に押し込み、流し込み接着剤を差し入れると、しっかりと固定してくれました。製作終盤の事でしたので一瞬ヘコミましたが、比較的簡単に解決出来たのでホッとしました。

②ガソリンタンクの塗装・デカール貼り

モンキー製作(ガソリンタンク)

モンキープラモデルの製作を振り返ると、このガソリンタンクの組み立て・塗装が一番楽しかったです。非常に目立つパーツで、ガソリンタンクの出来が悪いと見た目の影響が半端ではないので製作には特に気合いを入れました(結果、必要以上に時間がかかってしまいましたが(汗))。
ガソリンタンクの組み立てから塗装までの作業は、時間はかかりましたが特にトラブルという事はありませんでしたので、ここでは最後のデカール貼りで起きた悲劇をお伝えします。
ガソリンタンクに貼るデカールは6枚あり、一つの部品に貼るデカールの数はモンキー全部品の中で最も多く、ガソリンタンクが仕上がりに与える影響の大きさを物語っております。
燃料口上下、タンク左右の羽のエンブレムと順調に貼り付けが終わり、最後の貼り付けであるイエローとホワイトの境目に貼る細長いデカール(デカールNo.25、26)に意気揚々と取り掛かったときに悲劇は起こりました!
ピンセットでつまんだデカールを水に軽く浸け、引き揚げて少し待ち、デカールを綿棒で軽く横に押すとデカールが台紙から剥がれて動いたのを確認して、そのままデカールを台紙から剥がしてタンクの貼り付け箇所にスライドさせてから位置を調整しようと綿棒で動かした瞬間、細いデカールはもろくも破けてしまいました。
それまでのデカール貼りが順調だったので、少し油断していたのかもしれません。
破けたデカールでは最早修正は出来ず、そのままタンクから取り除いてデカールは成仏となったのですが、色の境目の所で、このデカールがあると無いとでは仕上がりが全然違うので、さあどうしようと思った結果、リスキーですがデカールと同色であるシルバーを塗装する事にしました。
色の境目の僅か下のホワイトの部分にマスキングテープを貼り、面相筆でシルバーを横にスライドするような感じで超慎重に塗りました。1時間程して、祈りながらマスキングテープを剥がすと、何とか横一文字にシルバーが引かれていたので、ホッとしました。
1日置いてシルバーが完全に乾いてからツヤ出しスプレーのトップコートを吹き、コンパウンドで仕上げました。結果として、ガソリンタンクは満足のいく出来となりました!

③フロントフォークの組み立て

モンキー製作(フロントフォーク)

今回のモンキー製作において予想をしていなかった修正を行ったのが、このフロントフォークの組み立てでした。組立No.10に入り、フォーンの接着をしようとパーツを確認したら、フォーンと接着するパーツの角度が、組立説明書のイラストと90度違っておりました(パーツNo.B1)。
今年発売の最新モデルでこんな事あるんだと思いつつも、まあしょうがないかと対策を考え、デザインナイフでパーツを切ってイラストと同じ角度で接着した所、いい感じにくっついてくれたので事無きを得ました。
無事にパーツの修正が終わり、フォーンを接着したパーツを次のパーツ(No.B40)に取り付けようとしたら、パーツの凹凸が嵌らない!確認すると、どうもB40の凸部がやや大きくて嵌らないようでした。パーツの形状的に大きさの微調整が難しいと思ったので(と言うか、筆者のスキル不足です(汗))、ここは凹凸を無くして面一で接着する事にしました。
B40の凸部をデザインナイフで丸ごと切り、B45の凹部にはポリパテを塗り込み、乾燥後にパーツを接着し、無事解決しました(久しぶりにポリパテの匂いを嗅ぎました)。後は、接着したパーツをフロントフェンダーにパチンと嵌め込むだけなので余裕で嵌め込もうとしたけど中々パチンとしない!よく見ると、ここもパーツの凹凸が上下逆になっていて嵌らなくなっておりました。マジかー、何か昔のガンプラみたいだなー、と思っても修正しない事には先に進まないので、パーツ凸部の余分な部分をデザインナイフで切り取って接着しました(パチン!が味わえなかったー)。
最新のキットでパーツの形状ミスというのは考えていなかったので、タミヤさん頼むよーと少し思っていたのですが、こういう修正もまた楽しですので、結果いい経験となりました。

一手間加えてクオリティアップ

今回のモンキープラモデルは、元々の出来が素晴らしいので特に手を入れなくても十分良い仕上がりになると思うのですが、一点だけちょっとした加工をしました。他の模型雑誌でも紹介されていたクオリティアップなのですが、フロントとリアのブレーキディスクの放熱孔が塞がれていましたのでドリル径1mmのピンバイスで開孔をしました。キチンと孔が開いているとタイヤのリアルさが増し、簡単に出来ますのでオススメのクオリティアップです。

モンキーディテールアップ

出荷時のブレーキディスクのパーツ。円周付近の放熱孔が塞がれています。

モンキーディテールアップ

ピンバイスで放熱孔を開孔した状態。同じアングルではないのですが(汗)。

ジオラマ制作で「飾る」という楽しみ方

タミヤ1/12モンキージオラマ

今回制作したモンキー125をジオラマでディスプレイしてみました。普通に制作までして展示するのも良いですがちょっと一手間加えてこのようにディスプレイすることで自分が作ったプラモデルに「物語」を加えることができるのも一つの楽しみ方ではないでしょうか。ジオラマ制作に関してはまた改めて別記事にて紹介したいと思います。

時間をかけたからこそ味わえる「プラモデル制作」の醍醐味

ここまでお読み頂き、ありがとうございます。長々とお話ししてきましたが、筆者が申し上げたいのは「プラモデル作りは超楽しい!」という事です!冒頭でも申し上げましたが、大人になり家庭を持つと自分の時間というのは、あるようで実際は中々持てないというのが多くの方の実状だと思います。筆者もそうです。ましてやスマホで簡単に情報が手に入る現代において、わざわざキットや道具を買って接着剤や塗料で手を汚しながらプラモデルを作る事にメリットを感じない方もいるかと思います。しかし、自分の手で一つ一つパーツを磨いて、手を汚しながらも作業をしていると、何か懐かしい感覚、子供の頃に感じていた目の前のことにワクワクする気持ちがもしかしたら湧いてくるかもしれません。

本記事をここまでお読み頂いた方でしたら、きっとメンドーだなーと思いつつも購入したプラモデルを最後まで組み上げて頂けることと思います!プラモデル作りという最高の娯楽に出会うきっかけとして本記事がほんの少しでもお役に立てば筆者としてこの上ない幸せです!

タミヤのホンダモンキープラモデル

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