2019年9月18日更新 15302 9
タミヤTT-02を組み立てる際の注意、メカ接続や充電設定などを一挙解説!
ラジコンの組み立ては基本的に説明書通りでかまいませんが多少注意したほうがあります。ラジコン独特のサーボや受信機といったメカの接続についてやバッテリーの充電やこだわりたいメカの配線処理についても細かく解説します。

タミヤTT-02を組み立てる際の注意
タミヤのラジコンはとてもよく考えられていて、作る工程ごとに使う部品が小分けされています。さらに使うネジも間違えないように、取扱説明書に実寸のイラストが出ています。このイラストにネジを並べてみて、同じだったらそのネジを使う、長かったり短かったりしたら間違いというように、最初は時間がかかる場合もありますが、次第に慣れてくるとすぐに見分けられるようになります。
組み立ては、基本的に説明書をよく読めば間違えないのですが、ちょっとだけ補足しておきます。まずネジの種類です。TT-02には主に大きく分けて2種類のネジが使われています。1つ目がタッピングビス。これはねじ込む際にネジが自分で溝を切っていくタイプで、溝が急角度かつ幅が広いものになっています。下の画像では右側のネジです。このネジは樹脂部品専用で、金属に対してタッピングビスを使うことはありません。
2つ目がメートルネジ。ミリネジと呼ばれることもあります。説明書では丸ビスと書かれています。タッピングビスに比べると溝の角度が水平に近く溝の幅も狭くなっています。これは金属などに対して使うことが多いです。前回おすすめした金属ギア、メタルギアのサーボを買っていた場合、サーボホーンを止めるのに使うのは丸ビスになります。ここは間違えないようにしてください。下の画像では左のネジです。
全てのネジをアルミやチタンといったオプション品にすると結構な軽量化になります。アルミやチタンネジは基本的にはミリネジ、タップを使って溝を切った方がスムーズにネジを締められます。ラジコンで主に使うは3mmのネジ。3mmのタップはタミヤからも販売されていますが実はホームセンターなどで購入した方がかなり安く買うことが出来ます。
樹脂部品に電動ドライバーなどを使う場合は十分注意してください。TT-02は足回りなど柔らかい樹脂を使っており、電動ドライバーだとどこまでもネジを切り続け、比較的簡単にネジ穴を舐めてしまいます。ラジコンの組み立てではそれほど力は使いませんし、TT-02は使うネジ本数も少ないので手で締めることをおすすめします。
また、TT-02はホイールベース、車高、車幅がそれぞれ2種類から選べます。間違えてもすぐに直すことができますが、ここもちょっと注意しましょう。ラリー系のボディを使う場合は車高が高くなります。GT系のNSXやGT-Rといったボディの場合は車高は低く、車幅は広くなることが多いです。ホイールベースについてはボディの説明に書いてありますのでそれに合わせましょう。
組み立てで注意するべきところとしては、まず説明書の工程⑧や⑮などのP7部品をはめ込む所。この部品はなかなか入らないのですがP7部品に傷がつくとスムーズに動作しなくなります。布を当てた上でラジオペンチではさんで入れる、等の工夫をしてください。工程㉔や㉗でB11部品を取り付ける場合も傷をつけないよう注意が必要です。
工程⑫のピニオンギアをモーターに取り付ける所、ここで使うイモネジはしっかり締めましょう。結構緩みがちになる部分です。場合によってはねじ止め剤を使うのもいいでしょう。「タミヤ HOP-UP OPTIONS OP.1032 ネジロック剤」がおすすめです。
また、説明書の⑩からホイールベースや車高によって次に参照する先が変わり混乱しがちになります。注意しましょう。
工程⑥の「ギアデフの組み立て」、これは実車ではスポーツカーなどに搭載されているデファレンシャルギヤの制作になります。
デファレンシャルギアとはコーナリング中に発生する左右のタイヤの回転数の差を吸収する機構、これがあることでコーナリングがスムーズになります。ラジコンの上級者向けモデルだとギアの中に入れるオイルの硬さでフィーリングを変えることができます。このTT-02ではオイルを入れることはできませんが、アンチウェアグリスならば入れることが可能、このアンチウェアグリスを入れる量で硬さを変えることが出来ます。
昨今のラジコンの4輪駆動車は前のデフは固目、後ろのデフは柔らか目、というのがトレンドです。前のデフを硬くすることでぐんぐん前に引っ張って進む、という考え方です。しかし硬くした場合、前に進む感じは出ますがやや曲がりにくくなっていきます。アンチウェアグリスは多く入れるほど硬くなりますので、調整して自分の走りやすい量を探ってみてはいかがでしょうか。
バッテリーの充電設定
サーボのニュートラルを出す場合や、送受信機のペアリングをする際には、充電されたバッテリーを接続しなければいけません。最近の充電器であれば、バッテリーの種類と電流値を設定すれば満タンになるまで自動で充電してくれる、というものがほとんどです。しかしバッテリーの種類を間違えるとバッテリーが壊れたり、最悪発火する危険もありますので十分注意してください。
まず、バッテリーに書いてある「1600」や「2200」といった数字は容量です。1600mAh、2200mAhといった内容になっており、簡単に言うと「1600mA(1.6A)を1時間放電できる、2200mA(2.2A)を1時間放電出来る」といった意味です。数字が大きい程大容量で長い時間操縦でき、パワー(ラジコンでは「パンチ」と言うことが多い)も出る傾向があります。
ニッカド(Ni-cd)、ニッケル水素(Ni-MH)バッテリーの充電設定
ニッカド(Ni-cd)、ニッケル水素(Ni-MH)バッテリーを充電する場合、容量にかかわらず3Aから5Aで充電するのがおすすめです。電流値が大きければ短時間で充電できる上にパンチが出ますが、バッテリーが痛みやすく寿命が短くなるという傾向があります。電流値が小さければバッテリーに負担がかかりませんが充電する時間が長くなります。
おすすめしている「タミヤ 7.2Vレーシングパック1600SP」の場合、私は5Aで充電しています。ゼロから充電した場合、実際の充電時間で30分程度で満タンになります。計算上ではもう少し早く満タンになるのですが、最近の充電器は頭が良くバッテリーが熱を持ちすぎないよう途中で少し休んだりしますので30分程かかります。XBなどに付属しているACアダプタータイプの充電器は1Aから1.8Aで充電するということですので、満タンにするには1時間から2時間程度かかる計算です。
リチウムフェライト、リチウムポリマーバッテリーの充電設定
リチウムフェライト(リフェ、Li-fe)、リチウムポリマー(リポ、Li-Po)の場合は少々複雑です。結論からいうと、おすすめしている「タミヤのLF2200-6.6Vレーシングパック」の場合は4.4Aで充電するのが無難です。
説明書には「4A(2C)充電程度での充電をお勧めいたします」とあります。「2C」が何かというと1時間に充電できる容量の2倍、2200mAhの場合は2倍すると4400mA(4.4A)となります。というわけで4.4Aです。ちょっとややこしいのですが、単純に「書いてある数字を倍にした電流」と覚えておくといいでしょう。1600mAhの場合、2Cでは3.2Aで充電することになります。これ以上の電流で充電することもできますが、バッテリーの寿命が短くなります。リフェバッテリーは結構値段がしますので、2C充電程度でやめておいた方がいいでしょう。
リポバッテリーの場合、商品によって1Cだったり2Cだったりと違います。説明書を良く読んで確認してください。
メカ接続とサーボの中立出し
工程㉔のラジオコントロールメカのチェックですがこれはラジコンならではの作業、「サーボの中立(ニュートラル)を出す」ための工程になります。順番に説明すると、
①受信機の1のスロットにサーボのコネクタを刺し込む
コネクタには切り欠きがありますので逆には刺せないようになっています。
②受信機の2のスロットにアンプのコネクタを刺し込む
③アンプに(充電してある)バッテリーを接続
④送信機のスイッチをON
⑤アンプのスイッチをON
これで送信機と受信機がリンクしました。ステアリングを左右に動かすとサーボも動くと思います。左右逆に動くものもありますが大丈夫。送信機の設定を呼び出して「リバース」という設定にすれば解決ですがこれはまた後からでも問題ありません。
これでサーボのニュートラルが出たら、説明書に従ってP4部品かD2部品を取り付けましょう。
説明書ではサーボに対して垂直にP4やD2をつけることになっていますが、実際は写真のようにギアの位置が合わずに少しだけ斜めになることがほとんどです。
私はそれなりの台数を組んでいますが、一発でここが指示通りになったことはありません。それでも気にすることはありません。初心者向け送信機ならば「トリム」という設定で、中級者向け以上の送信機ならば「サブトリム」という設定を呼び出して調整することができます。これもまた完成後に調整します。
送信機受信機のペアリングとアンプ設定
TT-02の説明書には書いてありませんが、購入した送信機受信機によっては、送信機と受信機をペアリングする、という工程もあります。送信機と受信機のペアリングをすることで紐付けられ、操作が可能になります。メーカーによってペアリングのやり方は違うのですが、送信機をペアリングモードにして、受信機の操作をする、というのが一般的です。詳細は送信機受信機の説明書を読んでください。
ペアリングする際には受信機にも電源供給が必要なので、工程㉔で受信機にアンプ、バッテリーを接続した際にやってしまうのが楽でしょう。ペアリングした後で工程㉔サーボのニュートラルを出す、という順番になります。
さらにアンプの設定もあります。アンプにアクセル位置を記録する、といった作業です。これもアンプによって手順が違いますので、説明書を読んでやってみてください。
メカ積みのコツと配線処理
一通り組み上げたら、最後に受信機やアンプを搭載します。ツーリングカーの場合、受信機とアンプは両面テープでシャーシに固定することが多く、場所はおおまかにしか指定されていません。TT-02の説明書では、受信機をサーボの上に置いていますが、シャーシに直接貼ってしまっても問題ありません。実車と同様、なるべく重心は低い方が走りやすいので、むしろシャーシに貼ることをおすすめします。受信機をシャーシに貼る場合は、モーターと接触しないように気を付けてください。モーターが回転すると結構なノイズが出ます。そのノイズが受信機に乗った場合、コントロールが効かなくなるなどの障害が出ます。
受信機やアンプの搭載、配線捌きは腕の見せ所となります。うまく収めて配線も綺麗にまとめると見ていても気持ちが良いです。配線を眺めてお酒が飲めるほどです。タイラップやスパイラルチューブ、収縮チューブを使うなどこだわりましょう。
モーターのケーブルは短くして見せる、受信機とサーボ、アンプをつなげている信号ケーブルはまとめて隠す、としている方が多い印象です。太くて半田付けが楽なモーターケーブルは短くしても長いケーブルに付けなおすことが簡単ですが、信号ケーブルは一度短くすると付け替えるのが大変です。ケーブルをまとめる方法としては何種類かあります。順に説明します。
タイラップ(結束バンド)で止める
楽にまとめられる方法です。タイラップは100円ショップなどで売っている100mm程度の物で十分です。まとめる際は左右の長さが均一になるようにまとめると美しく見えます。あまり強く締めるとケーブルに負担がかかりますのでほどほどに。
熱収縮チューブでまとめる
熱収縮チューブでまとめる際は、ケーブルのコネクタが約9mmありますので、購入する場合はチューブの内径が9mm以上の物にしてください。強固に固定されるのですが、中のケーブルを綺麗に揃えても、表面にしわが出来て綺麗にならないので、美しさを求める方にはお勧めできません。
ケーブルにクセをつける
ボールペンなどに巻くことで、ケーブルにクセをつける、という方法もあります。
スパイラルチューブでまとめる
スパイラルチューブでまとめる方法もあります。
綺麗に見えますし後からケーブルを追加して一緒にまとめることも可能、個人的にはおすすめの方法です。スパイラルチューブは100円ショップでも売っていますが、私はエーモンという会社のE369という内径4mmのものを使っています。エーモンは自動車用品を取り扱っているメーカーで、100均の物より品質が良く綺麗に見えます。