+

2019年9月23日更新 5318

タミヤ「ホンダモンキー125」を楽しく効率的に製作するためのヒント集

タミヤ1/12モンキー125の製作について各パーツの作製ポイントや、完成までの時間短縮が見込まれる組立順番などをお伝えしていきます。モンキーに限らず「プラモデル作りの楽しさ」についてお役に立てれば幸いです。

OutSeekers編集部

OutSeekers編集部

製作の流れがイメージ出来るとプラモデル作りはもっと楽しくなる

2019年6月に発売されたタミヤのプラモデル1/12ホンダモンキー125の製作について今回の記事では主要パーツの製作詳細やディテールアップのポイント、加えて製作の効率化を意識した作業フローのご提案をしていきます。あくまで我流ではありますが、購入前の参考として、そしてモンキーに限らずプラモデル製作をより楽しむ為のヒントとなれば幸いです!

組立→塗装、塗装→組立を大まかに決めておく

モンキーを製作する前にパーツを組み立ててから塗装するのか、塗装してから組み立てるのかをパーツ毎に大まかにイメージしておくと作業も捗ります。こうした組立⇆塗装の関係を踏まえた上で、本記事ではモンキーの主なパーツ製作について、注意したいポイントやちょっとしたディテールアップなどをご紹介していきます。

「同じ作業はまとめてやる」と効率化がアップする

組立⇆塗装の関係は以下の2点を覚えておくと効率化が図れます。

  1. 大きなパーツ同士の接着や合わせ目を消す必要がある場合:組立→塗装
  2. 小さな接着パーツ若しくは単品で成立しているパーツの場合:塗装→組立

もちろん大まかな分け方でありますので「大きなパーツを早く塗装してテンション上げたい!」というのも全然アリです。プラモデル作りは製作過程そのものが面白いので、ご自分なりの作業フローが見えてくると、より楽しみながら製作が進むことでしょう。いずれにしても、「同じ作業はまとめてやる」というのが完成を早めるポイントの一つではあると思います。

それでは上記のことを踏まえて実際にモンキーの製作ポイントを振り返っていきましょう。

モンキーの骨格となるフレーム

フレームのオススメ工程:組立→塗装

フューエルタンクやエンジン、シートなどを支えるモンキーの背骨であるフレームは、大きなパーツを2つ(A8、A9)接着するだけで出来上がります。構造は単純ですが、接着後にモンキーのボディカラーであるバナナイエローを表現しているTS-34キャメルイエロー(またはパールネビュラレッドを表現しているTS-95ピュアーメタリックレッド)を吹くと、プラスチック感が溢れる白いパーツが「遊べるバイク」としてホンダモンキーが持つコンパクトかつ強靭なフレームに変貌します。

フレーム塗装前
接着した状態のフレーム。真っ白いです。

フレーム塗装後

塗装するだけで「モンキー感」がぐっとアップします!

スプレー塗装についてのポイントとしては、1度の吹き付けで終わらせようとすると塗料が垂れてしまいがちですので、薄く数回に分けて吹くようにすると塗膜が均一になります。


塗装の乾燥には「ネコの手」を借りましょう

フレームに限らず塗装を行う際にパーツのどこを持っていたら良いのか迷う、手も汚れるし、持っていた部分をまた塗らなきゃならないという方も多いと思います。そんな悩みを解決するのが「ネコの手」です。(「持ち手」等の名称もあります)細い竹ぐしの一方の先端にクリップが付いていて、パーツのほんの少しの突起にクリップを挟めば確実にホールドしてくれるのです。塗装をしないパーツの裏側からクリップすれば、スプレー塗装でも筆塗りでも作業がグンと捗ります。塗装後は、竹を発泡スチロールにでも刺しておけばそのまま乾燥させることが出来ます。1度試せば手放せない!「ネコの手」は、塗装作業を快適にする逸品です!

塗装アイテムネコの手

フレームの塗装はメイン色のキャメルイエローとシートなどに塗るセミグロスブラックが主になります。色の塗り分けについて、最初にシートなどイエロー以外の部分にマスキングテープを貼ってからイエローを吹き、その後テープを剥がしてセミグロスブラックを塗るといい感じになると思いますが、細かい所にマスキングテープを貼るのは手間と時間もかかるので、イエローで全体を吹いてからブラックを重ねても全然大丈夫です。ちなみに、重ね塗りの際は塗料の種類と色の隠蔽力の関係によりイエローを吹いてからブラックを塗るのがおすすめです。

エンジンの作製

エンジンのオススメ工程:最初の工程だけ組立→塗装、後は塗装→組立

モンキーの心臓部である125cc空冷単気筒エンジンです。組立説明書では4つの工程に分かれています。段取りとしては、最初の工程であるエンジン本体の組立(B32、B42)については両者を接着してからシルバーで塗装し、残りのパーツはそれぞれ塗装してからエンジン本体に接着する流れがベターだと思います。
今回のモンキー製作では、エンジンの塗装が終わった後に放熱フィンの溝をデザインナイフで軽く彫り、シンナーで薄めたエナメルブラックでスミ入れをしました。簡単な作業ですが、フィンの陰影が多少際立ったかなと思います。

エンジンスミ入れ前
放熱フィンスミ入れ前。

エンジンスミ入れ後
この後エナメル用シンナーで少し色を薄くしました。※スミ入れ作業のご紹介の為、周りの塗装はしておりません。

フロントフォークの作製

フロントフォークのオススメ工程:塗装→組立

モンキー製作(フロントフォーク)

筆者的には今回のモンキー製作の鬼門だったフロントフォークですが、モンキーの前面を担うフロントフォークが出来上がると、いかにもバイク!という感じになり、またトップブリッジの細かい塗装やスピードメーターのデカール貼りなども楽しいので、ここの工程はモンキー製作のハイライトの一つと思っております。

自己満上等!「誰も気づかないディテールにこだわる」という美学。

ホイール作製の際にディスクブレーキの放熱孔を1mmのピンバイスで開孔してあります。

モンキーディテールアップ

この他、マフラーの排気口の所も同様に開孔してみました。本来、孔が開いている部分をキチンと開孔する事で仕上がりが引き立ちますので、余裕がある方は是非試して頂ければと思います。言われないと誰も気づかないかもしれませんが、この「自己満足感をどれだけ高められるか」というのもプラモデルを楽しむ上で非常に重要なポイントだと思います。「自分だけのこだわり」を存分に込めてあげましょう!

マフラー排気口開孔

「外科手術ばりの繊細さ」が求められるパイピングの製作

レバーからのアクセル・ブレーキの指示をキャリパーに伝える各種パイプは、人間で言えば脳の指令を各臓器に伝える神経の役割を果たしています。モンキー製作におけるパイピング作業は、そうしたいわば神経の取付作業であり、パイプをウネウネさせながら取り付けていると、さながら外科手術でもしている気分にもなってきます。細かい作業がお好きな方はハマる作業かもしれません(筆者は違う意味でハマりましたが)。集中力が試される作業になりますのでリラックスした状態でじっくり時間をかけて取り組みましょう。

モンキー製作(パイピング)

「プラモデル製作の楽しみ」が詰まっているフューエル(燃料)タンク製作

フューエルタンクのオススメ工程:組立→塗装

モンキー製作(ガソリンタンク)

モンキーに限らず、バイクのフューエルタンクは塗装はデザインの凝ったエンブレムが入っているなど、バイクのプラモデルを組み立てる上でも重要なパーツとなります。個人的にはこのフューエルタンクの作製が一番楽しく、また気合を入れたパーツとなりました。フューエルタンクの作製は、以下の7つの工程に分かれています。

  1. パーツの接着
  2. パーツ全体にホワイトを塗る
  3. 完全乾燥後、指定箇所に付属のマスキングラインシールを貼る
  4. ボディカラーを塗る
  5. 1時間程経過したらマスキングを剥がす
  6. 完全乾燥後、デカールを貼る
  7. デカール乾燥後、ツヤ出し塗装をし、完全乾燥後コンパウンドで仕上げる

文字にすると工程数が多いと思われるかもしれませんが、タンク作製は一番楽しいポイントです。しかも、このフューエルタンクの作製にはプラモデル作りに必要なテクニックが多く含まれていますので、各工程を丁寧に仕上げていけば模型雑誌に掲載されている有名モデラーさん達の作品を支える基本スキルを体験でき、これからのプラモデル作りへの糧にきっとなると思います!是非、腰を据えて取り組んでいただきたいと思います。

1.パーツの接着

タンクパーツA3とA4の接着後、そのままでは接着面の合わせ目が残っている状態ですので、この合わせ目を無くす作業をすると仕上がりが見違えるようになります。合わせ目を無くす方法は幾つかあります。ポピュラーな方法としては敢えて接着剤を多めに付けて接着面からはみ出させる事で接合面を少し溶かし、乾燥後にヤスリがけして表面を整える方法などがあります。今回のモンキー製作では、上記と同じく一般的な方法であるプラパテを用いた合わせ目消しを施してみました。
パーツ接着し乾燥させた後、シンナーで少し薄めたプラパテを接合面に埋めるような感じで塗っていきます(ちなみに、プラパテはタミヤさんから発売されているタミヤパテ(ベーシックタイプ)が定番かつベストです!)。
1日程置いてパテが完全に乾いたら、ペーパーヤスリをかけて表面が滑らかになったら完成です。ペーパーヤスリは600番くらいからかけて800番若しくは1000番くらいまでかければ十分です!

2.パーツ全体にホワイトを塗る(失敗談込み)

ヤスリがけを終えたタンクにホワイトを塗っていきますが、そのままホワイトを塗るとパテとパーツの下地が透けてしまうので、今回のモンキー製作では下地を均一に整え、その後の塗料の食いつきを良くする為にサーフェイサーという下地仕上げ塗料を吹いてみました。
サーフェイサー処理により、パテとパーツの合わせ目が完全に消え、また目立たなかった細かな傷も確認できるようになります。傷があれば1000番以降のペーパーヤスリを軽くかけていきます。
下地処理を終えたら、パーツ全体にホワイトを塗っていきます。組立説明書にはスプレータイプのTS-26ピュアーホワイトが指定されていますので、これを薄く2〜3回に分けて吹いていけば、タンクが正にピュアーなホワイトに包まれます(当たり前です)。

ちなみに、筆者は今回のモンキー製作でTS-26は使わずにアクリル塗料のホワイトで筆塗りしましたが、スキル不足により筆ムラが残ってしまい、修正に時間がかかりました。ここは素直にスプレー塗装をオススメ致します!

タンクサーフェイサー塗布
サーフェイサー塗布。この後、ホワイトで筆塗りした所… 大きなムラが発生してしまいました、、、

タンクホワイト塗布1回目

タンクホワイト塗布数回目
最終的にペーパーがけと塗り直しで何とか立て直しました。この後もう一塗りしました。タンク塗装はスプレーで行いましょう!

3.指定箇所に付属のマスキングラインシールを貼る

ホワイトが完全に乾いたら、付属のマスキングラインシールを指定箇所に貼っていきます。組立説明書にも書いてあるのですが、付属のシールだけではマスキングし切れないので、ホワイトを残す部分には別売りのマスキングテープを貼るのをおすすめいたします。今回は、幅6mmのマスキングテープを使いました。

タンクマスキング処理
マスキングテープ巻き付け。

4.ボディカラーを塗る

いよいよボディカラーの塗装です!シルバーやセミグロスブラックでの各パーツの塗装も勿論楽しいのですが、モンキーのボディカラーであるイエロー(またはレッド)の塗装をすると格別なテンションアップの効果があります。ここまで来ると、キットの完成も見えていると思いますので、一気に仕上げる意欲も湧いてきます!指定色のTS-34キャメルイエロー若しくはTS-95ピュアーメタリックレッドを2〜3回に分けて吹いていきます。

タンクイエロー塗布
キャメルイエローを塗布した状態。さらに「モンキー感」が出てきました。

5.1時間程経過したらマスキングを剥がす

ボディカラー塗装後にマスキングを剥がしていきます。ここで注意したいのは塗料が完全に乾いてからマスキングを剥がすとテープと塗料の境目も一緒に剥げてしまうかもしれませんので、塗装後1時間程経過した半乾きの状態でマスキングを剥がせばリスク軽減になると思います。テープが取りにくい際には、爪楊枝などを使って丁寧に剥がしていきましょう。

6.完全乾燥後、デカールを貼る

無事にマスキングを剥がし終えると、見栄えあるツートンカラーのタンクが現れます!やっとここまで来た〜と悦に浸りつつ乾燥を待ち、塗料が完全に乾いたら付属のデカールを貼っていきましょう。
水転写式シールであるデカールは、水にサッと浸けて引き上げてから20〜30秒程待つと台紙から動くようになりますので、綿棒やデカール用ピンセットなどで慎重にスライドさせてそのままタンクの該当箇所に貼り付けます。貼り付けがズレてしまっても、まだ動かせますので綿棒を使い落ち着いて位置を整えればオーケーです。水分が含まれているようでしたら、デカール内側から外側に綿棒を動かして水分を取り除いてやると綺麗に仕上がります。

7.ツヤ出し塗装をし、コンパウンドで仕上げる

フューエルタンク作製もいよいよ大詰め、ラスボスのツヤ出し作業です。苦労して作ったタンクにツヤを与える事で、無事にエンディングを迎える事になります。
ツヤ出し用のスプレーを吹くだけでも十分なのですが、コンパウンドで磨く事で表面が均一になる「研ぎ出し」効果が得られますので、今回はそこまでの処理をしてみました。ツヤ出しにはGSIクレオスさんのMR.HOBBYトップコートを、研ぎ出しにはタミヤコンパウンド(細目)を使いました。


タンク塗装終了
最終的にこうなりました。シルバーのラインはデカールではなく塗りました。

筆者的モンキー組立順番

モンキー125斜め前より

上記ではパーツ別の作業フローについてお伝えしましたが、以下では製作全体の効率化を意識した筆者的作業フローを組立説明書の順番としてご紹介させて頂きます。ポイントとしては順番通りパーツ毎に作るというよりは「組立」「塗装」「取付」といった内容毎にまとめて製作していくというイメージです。筆者的なモンキー125の組み立て工程は以下となりました。

  1. フレームの組立、塗装
  2. エンジンの組立、塗装
  3. リヤフェンダーの塗装
  4. スイングアームの組立、塗装
  5. リヤホイールの塗装
  6. ステップ周りの塗装
  7. リヤダンパーの塗装、スプリングのメタルプライマー塗布
  8. エンジンの取付
  9. リヤフェンダーの取付
  10. リヤホイールの取付
  11. スイングアームの取付
  12. スプリングの塗装
  13. フロントフォーク/ホイールの塗装
  14. ハンドルの組立、塗装
  15. マフラーの組立、塗装
  16. フューエルタンクの組立、塗装
  17. リヤダンパーの取付
  18. フロントフォーク/ホイールの組立、取付
  19. ハンドルの取付
  20. パイピング
  21. マフラーの取付
  22. フューエルタンクの取付
  23. シートの取付

組立説明書よりも工程が増えていますが「組立」「塗装」「取付」の3つの作業要素をそれぞれ出来るだけまとめて行う事で完成を早めるという感じです。

フレームやエンジンなどの「組立」→「塗装」の順で作るパーツはある程度まとめて塗装まで行い、乾燥待ちの間に別のパーツの「組立」→「塗装」をしていく感じです。またリヤフェンダーやスプリングなどは先に塗装をしてしまい、乾燥待ちの間に別パーツの作業に取り組んでいくという流れです。

完成までのモチベーションをどう工夫するのか

このような感じでモンキー製作を作業内容で分けていけば時間短縮もできます。例えば月曜日から作り始めたモンキーが週末には出来上がり、土曜の夜には完成したモンキーを愛でながら美味しいお酒が飲めるかもしれません。

モンキーに限らずプラモデルは「完成」させる事が大事だと思います。しかし、昼間は仕事でなかなかプラモデル作りの時間が取れない私のようなサラリーマンモデラーは、製作が進まないとモチベーションが下がってしまいます。プラモデル作りより仕事や家庭の事に目を向けている内に、いつの間にかパーツをいくつか組み立てただけで放置してしまうということにもなりかねません。

人生の艱難辛苦を乗り越えて何とかキットを「完成」させれば、次に作りたいキットが思い浮かんできたり、模型雑誌を読んでテクニック向上に努めたりする、などのようなプラモデル作りにとっての良いスパイラルがきっと起こると思います。
そんな幸せなスパイラルを起こすためには、「モチベーションが落ちない内に出来るだけ早く完成させる」という事が大切だと思いますので、ご紹介したような時間短縮に繋がり得る段取りを意識しながらモンキー製作に取り組むと、またプラモデル作りの面白さが一つ見えてくるのかもしれません。

製作プロセスを楽しむこともプラモデル作りの楽しさ

本記事では、少しでも早くモンキーを完成させるべく効率の良さを意識した作業手順を主にご紹介致しました。効率化とか言うと大仰になってしまいますが、こうした段取り的な事は普段の仕事で日常的に行っている方も多いと思います。
本記事でご紹介した手順はあくまで一例であり、プラモデル作りにおいての段取りは各自が自由に決められるというのも大きな魅力だと思います。製作に取り組む際にはこうした段取りについて一考してみるというのもプラモデル作りを楽しむポイントのひとつと言えるでしょう。自分なりに楽しめるプロセスを発見して楽しんでみてはいかがでしょうか!

タミヤのホンダモンキープラモデル