2019年12月16日更新 1679

難しいグレのフカセ釣り完全攻略!確実に釣る方法「刺し餌先行術」とは?

昔と比べてグレが釣りづらくなった理由はさまざまに考えられます。いろいろなところでそれは挙げられていますから、重複を避けるためここではそれ以上触れないでおきましょう。問題は、その釣りづらいスレたグレをどう攻略するか、です。これまで、現代のグレを仕留めるために何人もの名手たちが試行錯誤を繰り返し、その末に辿り着いた答えがコマセとの同調、そして刺し餌先行でした。この記事ではグレのフカセ釣りを成功させるための必須テクニック、刺し餌先行を徹底的に解説し、難しい条件下でも恐れず実践するための考え方と技術をお伝えします。

OutSeekers編集部

OutSeekers編集部

目次

難しいグレのフカセ釣りで刺し餌先行はなぜ必要か?

難しいグレのフカセ釣りの具体的な攻略に入る前にまず、「刺し餌先行」という概念について説明しておきたいと思います。ウキフカセ仕掛けを投入して自然のままに流したらどうなるでしょうか?多くの場合、ウキが先行して刺し餌はそのあとからついていきます。なぜなら、潮は表層ほど速く流れるからです。ウキは速い潮に乗って、さらには流れを強く受けるため仕掛けの先頭を切って流れます。その結果、刺し餌ははるかに遅れて流れていきます。完全なウキ先行です。このウキにブレーキをかけて刺し餌を先行させる。これが刺し餌先行です。

コマセと刺し餌の同調については当記事の前提知識になりますので、そちらを扱った記事を先にご覧いただくといいかもしれません。

フカセ釣りの基本についてはこちらの記事もご参照ください。

グレには「点」に見えるから?

とはいえ、刺し餌を先行させるとなぜスレたグレがヒットするのか、そのはっきりした答えはまだ分かっていません。かつては、刺し餌を先行させると潮下からやってきたグレにハリスが見えず、刺し餌が「点」に見えるからヒットしやすいといわれていました。しかし、その説明だと潮下以外からやって来たグレがヒットする理由にはなりません。また、ハリスが見えると魚は食わないという過去の誤った説を信用していることにもなります。刺し餌が点に見えるという説は釣り雑誌でも堂々と取り上げられ、それも名のある名手が持論として展開していたのですから、今から考えると楽しい話です。

縦糸だとグレは食わない?

刺し餌を先行させるためにはウキの流れにブレーキをかけ、仕掛けを張らなければいけません。その結果、ウキから刺し餌までが斜めになります。
これがどういうことかというと、「魚は縦糸を嫌う」という原則に則っているということです。これも理由ははっきりしていないのですが、ハリスがまっすぐに立っていると魚は、特にグレは嫌う傾向にあります(クロダイはあまり気にしない傾向があります)。したがって、グレ釣りでは必ずハリスを縦糸にせず、斜めにするというのが暗黙の了解となっています。

ここでひとつ思い出していただきたいのが、魚は潮が動いていないと食いが悪いという定説。これは多くの釣り人が認めていることで、異論はありません。では、潮が動いていると仕掛けはどうなるでしょう? 刺し餌が先にしろ後にしろ、ハリスは斜めになるのです。潮が止まれば仕掛けは真下に下がり、縦糸になります。

グレのアタリを感じるために仕掛けを張り糸フケをなくす

刺し餌を先行させるには仕掛けを張らなければならず、必然的に糸フケがなくなります。すると小さいアタリでもウキに表れやすくなります。近年、グレは食い渋り傾向が強く、一気に食い込むケースは少なくなっています。まるで餌盗りのような小さいアタリが出ることも珍しくなく、ウキには高い感度が求められています。その感度を生かすにはフケが無用です。
さらには、竿先からウキを経由して刺し餌に至るラインを可能な限り直線にすることで、アタリはより明確になります。単なる糸フケを取り除くだけでは不十分なのです。

刺し餌に仕掛けを引っ張らせる

なにも手を加えなければ速い表層流に乗ってウキが仕掛けを引っ張ると前述しました。ですが、それだと刺し餌が先行しないからウキにブレーキをかけるとも書きました。
ここで重視してほしいのがイメージです。刺し餌が先頭を切ってそのあとをハリスやウキがついていく…そのシーンです。言い方を少し変えると、流れを受けた刺し餌がハリスとウキを引っ張っていくという光景です。これをしっかりイメージしてください。

実際に、刺し餌が仕掛けを引っ張っているとしましょう。すると、どのような影響が出るでしょうか?からまん棒などの付属品が、目に見える範囲ではウキより先行しています。そして、浮かんでいるウキは上部が後方に傾いています。それが再現できていれば、刺し餌が漂っているタナの潮に仕掛けは乗っていると見ていいでしょう。それはイコール、コマセと同じ流れ方をしていると判断できます。

それがベストの状態なのですが、言葉にするのは簡単であっても実践するのは簡単ではありません。特に、慣れないうちは、イメージすることさえ難しいでしょう。とりあえずはLLサイズのオキアミをハリに刺して、流れの抵抗を大きくしてみてください。そして、ウキの流れにブレーキをかけて、ウキの頭が潮上を向くように傾ける。それを心がけてください。

グレが食い込んだときの抵抗が変わらない

刺し餌を先行させるために仕掛けを張ると、別のメリットが生まれます。それは、グレが途中で餌を離さないということです。グレが餌をくわえて移動しようとしたとき、途中で二回、グレにとっては予期せぬ抵抗が加わります。

コマセのオキアミなら抵抗などあり得ないのですが、刺し餌の場合はまずガン玉の抵抗がかかります。ガン玉が小さければ小さいほど抵抗は小さく、グレが食い込む確率が高くなるのはいうまでもありません。しかし、潮の速さやグレのタナによっては簡単にガン玉を小さくすることはできません。

二回目の抵抗はウキです。ガン玉の抵抗を気にせず食い込んできたとしても、ガン玉よりさらに大きな抵抗を受けると、食い渋り傾向にあるグレは餌を離す確率が高くなります。一方、仕掛けを張っていると、最初に刺し餌をくわえた時点でガン玉とウキの抵抗がかかります。仕掛けがフケた状態よりもずっと大きいのは間違いありません。しかし、くわえて移動しようとしても途中で抵抗は変わりません。その結果、グレが刺し餌を離す可能性は非常に低いのです。

ウキとガン玉を引っ張るグレ

刺し餌先行のグレのフカセ釣りでは水中ウキは使いづらい

かつて、水中ウキというアイテムが大流行した時期がありました。本来、ウキは水面に浮かぶものですが、最初から沈める目的で開発された水中ウキは流れを受けて仕掛けを潮に乗せるのが主な目的です。その効果は過大評価され、釣りを始めたばかりの初心者でさえわけが分からないまま水中ウキを使っていたものです。

確かに、流れを受けるという点では水中ウキの効果はあります。潮の動きが鈍い状況では、水中ウキがあるとないとでは仕掛けの流れ方に違いが出ます。ただし、刺し餌に仕掛けを引っ張らせるというセクションで解説したように、抵抗となるものが先頭を切って流れますから、水中ウキがあるとこれが仕掛けを先導します。その結果、水中ウキのタナを流れる潮に乗ることになります。また、仕掛けの張りは犠牲にせざるを得ません

潮に流される水中ウキの水中の状態

水中ウキにはほかにも役目があり、使い方によっては有力なアイテムとなりますが、刺し餌を先行させるという目的では使いづらい面があるということになります。

刺し餌を先行させグレをフカセで釣るには

ここまで何度も触れているように、自然のままに仕掛けを放置していると刺し餌は先行しません。90%近い確率でウキが先行します。そこで、竿やラインを操作して強制的に刺し餌を先行させる必要があります。グレを仕留めるための必須テクニックです。

まずは仕掛け投入時に注意すること

慣性力という言葉をご存じでしょうか?物体がそれまでの状態をできるだけ保とうとする力のことです。止まっているものは止まり続けようとして、同じ速度で動いているものは同じ速度で動き続けようとします。

これを仕掛けに当てはめてみましょう。最初に仕掛けの姿勢を整えると、そのままの状態で流れようとします。ですから、投入時に仕掛けの姿勢を整えることが大切になってきます。そのためには、沖にハリ、手前にウキという状態で着水させます。着水寸前にサミングでブレーキをかけることでそれは可能になります。同時に、刺し餌の着水を見て餌落ちしていないかを確認する作業も欠かせません。

仕掛けを竿1本以上引き寄せる

着水したら仕掛けを手前に引き寄せます。距離は竿1本以上です。こうすることで、風やその他の理由で直線になれなかった仕掛けを確実に真っすぐにするのです。
しかし、「潮がまっすぐ沖に向かっているのならそれでいいけれど、右、または左に流れていたらどうするんだ?」という疑問が湧いてもおかしくはありません。磯釣りで最も多いパターンは横流れだからです。

それでもまったく問題はありません。ガン玉を使用している仕掛けは真っ先にガン玉が沈み、刺し餌はそのあとからついていきます。その段階ではガン玉と刺し餌との間は自動的に張れますから、なにも考える必要はありません。問題はガン玉の上です。ウキとガン玉の間を張ってやると、たとえ角度が90度変わろうともその後は糸フケが生まれにくいのです。

ラインを送って仕掛けをグレのタナまで沈める

手前に引いて仕掛けを張ったあとはラインを緩めます。そうしないと刺し餌が所定のタナまで沈まないからです。この「刺し餌を所定のタナまで沈める」というタスクは後の説明でも重要となるので、念頭に置いておいてください。

このとき、ラインの送り方には2通りあります。ひとつ目は簡単です。仕掛けがなじむまで自由に送り込みます。ルアー用語でいうフリーフォールです。前述したように、こうするとガン玉が先頭を切って沈み、刺し餌はあとからついてきます。この時点でグレがヒットすることはまずありません。臨戦態勢に入るのはガン玉と同じタナまで刺し餌が沈んでからです。この時点でハリスは真横になりますから縦糸ではないのです。
刺し餌はさらにゆっくり沈み、タナに達したところで止まります。ウキにはガン玉と刺し餌の重量が加わり、深い吃水を示します。

もうひとつのラインの送り方は、着水直後から刺し餌を先行させながら沈めていく方法です。ルアーではテンションフォールもしくはカーブフォールと呼ばれており、ブレーキをかけながらゆっくり送り込みます。これはかなり高度なテクニックが要求されます。仕掛けを張りながら沈めていかなければならず、張りすぎるとグレのタナに届かず、緩めすぎると刺し餌が先行せず、ガン玉が先に落ちていくことになります。
テンションフォールのメリットは上層から臨戦態勢に入っていることです。フリーフォールではガン玉と同じタナまで刺し餌が沈んでからでしかグレがヒットする可能性が低いため、それより上のタナはほとんど諦めているのに対して、テンションフォールではより広いタナを探ることができるのです。

ウキにブレーキをかけ仕掛けをなじませる

ウキフカセ釣りでは、刺し餌がタナまで沈んだ状態を「仕掛けがなじんだ」と表現します。刺し餌はこれ以上沈むことはなく、その後は潮に乗って流れていく水平移動に移ります。しかし、慣性力によって仕掛けは張れた状態を維持していたとしても、刺し餌が先行しているとは限りません。この時点で確実に刺し餌を先行させなければなりません。そのためには、ウキにブレーキをかけることが必須条件となります。そこで、図①をご覧ください。足元から沖に向かって潮が流れています。このような条件であれば、ラインを張ってウキにブレーキをかければ刺し餌は先行します。なんの問題もありません。

▼図1:足元から沖へ潮が流れている図

足元から沖へ潮が流れている図

しかし、図②ではどうでしょう?ウキにブレーキをかけようとしてラインを張ればウキはAの方向には流れず、Bに向かいます。ところが、コマセは潮に乗ってAに向かいます。その結果、刺し餌とコマセは同調せず、どんどん離れていってしまいます。グレに食わせるために刺し餌を先行させようとしているのに、これでは逆効果になってしまいます。

▼図2:右から左へ潮が流れている図

右から左へ潮が流れている図

ラインを潮上に切り返しグレに食わせる

刺し餌を先行させるためウキにブレーキをかける。これが当面の目標です。ですが、図2のケースではラインを張ってブレーキをかけるわけにはいきません。理由はたった今お話しした通りです。では、どうすればウキにブレーキをかけることができるでしょう?
その方法のひとつが、ラインを潮上に切り返すことです。図3を見てください。ウキはラインを引っ張りながら流れることになります。すると抵抗が加わり、ウキの流れにブレーキがかかります。このように、ラインを切り返してグレを食わせようとする動作をラインコントロールと呼んでいます。コマセと刺し餌を同調させるためにもしばしば用いられます。

▼図3:ラインの切り返し

ラインの切り返し

仕掛けの制御に風を利用する

もう一度図3を見てください。ウキは潮に乗って左方へ向かっています。この動きにブレーキをかけるには、ラインを切り返す以外にも方法はあります。一番簡単なのは風を利用する方法です。自然はなかなか思い通りにはいきませんが、風が潮下から潮上に吹いていたとしたら、これは大きな道具となります

風がそこそこ強ければウキを潮上に押しやろうとします。それはイコール、ブレーキをかけることになりますから、なにもしなくても仕掛けは張れて刺し餌が先行します。
では、風がそれほど強くなければどうでしょう? その場合はラインを持ち上げて風を受けさせます。すると切り返したときと同様、ラインは潮上に膨らみます。結果としてウキにブレーキがかかります。

難しい条件下で刺し餌を先行させる

海は自然の中でも比較的ハードな条件下にあります。特に磯は、風や波、雨などに晒され、気象・海象の両面から影響を受けます。そのせいで、穏やかな条件で釣りができるチャンスは思ったより少ないはずです。
以下、悪条件で刺し餌を先行させる方法を紹介します。

フカセ釣り刺し餌先行の難しい条件①:風が強い

海で無風という状況はほとんどあり得ません。強弱や方向はさまざまですが、ほぼ常になんらかの風が吹いています。ウキフカセ釣りにとって風は大敵です。様々な意味で釣りを妨害します。刺し餌先行もその対象のひとつです。

刺し餌を先行させるためには風を利用すると前述しました。しかし、流れとは反対に吹くケースはまれです。図4を見てください。A、B、C、Dと四方向から風が吹いた場合を想定しています。理想的な方向は、いうまでもなくAです。あまりにも強い場合は問題がありますが、適度な強さなら歓迎材料です。自動的に仕掛けに張りができ、刺し餌が先行するからです。

▼図4:風の向きに合わせてウキの動きをコントロールする

風向きに合わせてウキの流れをコントロールする図

厄介なのはBです。表層流がウキを潮下に押しやるため、せっかく張りを作って刺し餌を先行させたとしても、すぐに張りは失われます。さらに、ウキは刺し餌を追い越そうとします。それを防ぐには常にブレーキをかけなければならず、ラインコントロールに追われます。そこまでしても刺し餌先行が保証されるわけではなく、こういう場合は沈め釣りを選択した方がベターです。

沈め釣りとは重たいガン玉を使ってウキをじわじわと沈めてゆく釣り方です。ウキは水面に浮かんでいませんから、当然ながら風の影響は受けません。刺し餌を先行させた状態でウキを沈めていけば、風の影響を受けないほど沈んだ時点であとはラインコントロールをせずにそのまま流して構いません。
ただし、沈め釣りはイメージの釣りです。ウキから様々な情報を得ることはできず、頭の中で想像しなければなりません。これはかなりハードルが高い作業です。沈め釣りについては改めて記事を作成する予定なので、興味のある人はそちらをご覧ください。
では、C、Dの場合はどうでしょう?コマセが流れるコースから外れる可能性は高いのですが、仕掛けの張りと刺し餌先行という二点に限れば悪影響を及ぼすことはありません。

フカセ釣り刺し餌先行の難しい条件②:波が高い

海上に波が立つことは珍しくありません。もちろん、ベタ凪の場合もありますが、波の存在は魚が警戒心を和らげるのに大いに役立っています。反面、仕掛けを張って刺し餌を先行させるには波が大きな障害となります。

図5を見てください。ウキが波に乗っている状態です。波乗りのいいウキを使うとこのような動きを見せます。視認性が高く、初心者はこちらを好みます。このとき、刺し餌は、上下するウキの影響を受けて同じように上下します。といっても、ハリスは常に張れているわけではありません。一般的に、ガン玉は刺し餌からある程度距離をおきます。そのため、波に乗って上昇するウキに引っ張られると刺し餌も同時に引っ張られます。しかし、波の谷間に入ってウキが下降しても、すぐに刺し餌は沈みません。オキアミは軽くて沈むのに時間がかかるため、ハリスはたるんだ状態が継続します
警戒心が薄いグレは刺し餌のこのような動きに食欲を起こしたものでした。しかし、学習して警戒心の強いグレは敬遠します。コマセのオキアミとは異なる動きをするからです。先行もしていません。

▼図5:ウキの波乗りがいいと
ウキの波乗りがいい時

図5の補足:ウキが波の「谷」に降りても刺し餌は沈み切れず、仕掛けは張れていない。この状態では刺し餌に仕掛けを引っ張らせることはできない。

この事態を解決するのがウキの動きです。多少、波があっても仕掛けが張れて刺し餌が先行する状態を維持できるウキであれば、波の存在は気にならなくなります。つまり、アタリが出る可能性が高いということです。
では、波があってもその影響を受けずに流れるウキとはどんなものでしょう?厳密な意味では難しい問題が多々ありますが、最大の条件は残浮力です。投入された仕掛けがなじんだとき、ウキは水面に浮かんでいますが、残浮力が大きいと図5の動きをします。しかし、残浮力が小さいと図6のような流れ方をします。波の「山」や「谷」に達しても上下せず、ほぼ同じ位置を保持します。その結果、仕掛けが張れて刺し餌が先行した状態が継続するのです。

▼図6: ウキの残浮力を最小限にすると
 ウキの残浮力を最小限にすると

図6の補足:ウキの残存浮力を最小限にすると波の「山」に乗ることはなく、ウキの位置は変わらずに流れていく。視認性は劣るものの刺し餌に仕掛けを引っ張らせることができる。

残浮力を最適化するオモリ選択

一般的に、ウキには負荷オモリが表示されています。このサイズのガン玉を使えば理想的な吃水を得られるというものです。しかし、メーカーによって「理想的な吃水」の基準は異なります。視認性を優先するところもあれば、感度を優先するメーカーもあるでしょう。さらには、釣り人が要求する「理想的な吃水」も様々です。とはいえ、波が高い状況でもウキが上下しないほどのガン玉を使用して、残浮力をギリギリまで落とす必要があります。

負荷オモリの表示
大半のウキにはこのような浮力表示があります。これはG5サイズのガン玉を用いれば適正な喫水を示しますというものです。ところが、これよりも重たいG4を打っても浮かんでいるウキも世の中には存在しているので注意が必要です。

水面ギリギリに顔を出しているウキ
残浮力をぎりぎりに設定するとウキが水面に出る部分はわずかしかなく、視認性は著しくそぎ落とされます。反面、感度はよくなり、風の影響もそれほど受けなくなります。

フカセ釣り刺し餌先行の難しい条件③:グレのポイント・サラシの中で釣るには

グレのポイントとしてサラシは大定番でした。磯にへばりついている小動物を洗い流し、同時に自分の姿を隠すことができるため安心して餌を追っていました。が、これも時代とともに変化して、人間に近いところで浅ダナまで浮上するケースは少なくなりました。もっとも、活発に餌を追う梅雨時期や秋はサラシでも十分ポイントになり得ます。では、サラシをどのように攻略すればいいのでしょうか?サラシの特徴は3つあります。

  1. 流れは足元から沖に出る
  2. 表層は速く流れるが、下層はゆっくりとしか動かない
  3. 浅ダナでヒットするグレは小型が多く、良型は深ダナでしかアタらない

サラシでは単純にウキにブレーキをかけるだけで仕掛けは張られ、刺し餌が先行します。だからといって、望むサイズのグレがヒットするとは限りません。タナの問題があるからです。サラシの難しい点はそこにあります。したがって、サラシの中で良型に食わせようと思えばガン玉の選定が大きなカギとなります。仕掛けを張っても刺し餌のタナを確保できるだけの重さが必要なのです。ウキの負荷オモリなど気にする必要はありません。要は、いかにして刺し餌をグレの口もとに送り届けるか、です。

フカセ釣り刺し餌先行の難しい条件④:サラシの外側でグレに食わせる

グレがサラシの中まで入ってこない場合は、その外側でヒットするケースがあります。外側とは、往々にしてサラシと潮の合流点です。サラシにコマセを入れるとその大半は潮との合流点に向かいますから、コマセの投入点はそれほど気にすることはありません。
問題になるのは、ラインをもてあそぶサラシの影響です。そのパワーは単純な風や波の比ではありません。ラインを浮かべるにしろ漂わせるにしろ、強く影響を受けます。押し寄せた波が磯に這い上がり、海に戻ってザーッと広がるとき、ラインコントロールなどまったく役に立ちません。ガン玉を少々追加したところで、ラインが受ける影響をゼロにすることはできません。

こういうときの対処は、可能であればという但し書き付きですが、ラインを空中に引き上げてサラシの影響を受けないようにします。サラシは足元から広がりますから、よほどの大サラシでない限り、竿を立てて糸フケを巻き取ればラインは空中に浮かびます。空中にあればサラシの影響を受けませんから、ウキ、ハリス、刺し餌はコントロールしやすくなります。
ここで、但し書きの説明をしましょう。皆さんはもう気づいているでしょう。風、です。特に、横風がきついとこの操作は難しくなります

フカセ釣り刺し餌先行の難しい条件⑤:全遊動・全層釣法

この記事では、ウキフカセ釣りの基本である、ウキを水面に浮かべる半遊動釣法を前提に話を進めきましたが、ひとつの釣法だけであらゆる状況に対処するには難しい時代になっています。そのような状況で生まれたのが全遊動・全層釣法です。

詳しい説明は別の機会に譲りますが、両方ともウキ止めを使わず、刺し餌をどんどん送り込んでタナを探る釣法です。潮に乗せて流しつつ、上層から少しずつ刺し餌を沈めてゆく釣り方です。コマセと同調させるため沈む速度は非常に遅く、その状態で刺し餌を先行させなければなりません。ブレーキをかければ間違いなく刺し餌は先行します。しかし、ブレーキをかけすぎると刺し餌は沈んでいきません。流れにも乗りません。これでは全遊動、全層釣法のメリットを生かすことはできません。

ここで大切なのはガン玉の選定です。大きいと刺し餌は速く沈み、小さいとなかなか沈みません。これにブレーキの要素が加わるのですから変数は非常に多く、簡単な計算では予測できません。つまり、その操作は釣りの現場でよく見られるトライ&エラーでしか結果が出せないということです。流れや水深、風、距離などの状況によっても変わりますから一投一投変化すると思ってください。

グレのフカセ釣りでの仕掛けの張り&刺し餌先行のデメリット

ここまで、仕掛けを張って刺し餌を先行させるのはグレ釣りの原則という前提で話を進めてきました。冒頭で触れたように、この原則を守らなければグレがヒットする確率は低いといっていいでしょう。釣り人はその原則を守るのに様々な努力を続けます。グレを仕留めるという究極の目的のためです。ところが、時としてその努力がマイナスに作用する場合があります。ウキにブレーキをかけるため仕掛けを張ろうとすると、かえってグレがヒットする可能性が低くなることもあるのです。

仕掛けを張れば張るほどタナは浅くなりグレまで届かない

典型的な例が刺し餌のタナです。仕掛けを張れば張るほど刺し餌は上ずり、それではいくら刺し餌が先行してもグレのタナまで沈みません。それではグレはヒットすることはありません。
グレに食わせるためには優先順位があります。ヒットポイントに刺し餌を送り届け、グレのタナまで沈めます。それが一番の目的です。それができなければグレはヒットしません。次いで、コマセとの同調、刺し餌の先行があります。刺し餌が先行できていれば、仕掛けの張りはもっと後ろに位置します。刺し餌を先行させようとして仕掛けを張り、グレのタナまで沈まなければ意味のないことになります。この兼ね合いがグレのフカセ釣りの難しいところです。

横流れで仕掛けを張ればコースが変わる

ウキにブレーキをかけて仕掛けを張ると、刺し餌が先行します。しかし、ウキにブレーキをかけるともうひとつの現象が発生します。仕掛けが流れるコースが変わるのです。足元から沖に出ていく流れであればコースが変わることはありません。一方、右、または左に向かう横流れでは、ウキにブレーキをかけると仕掛けが流れるコースが変わってしまう…これはすでにお話ししました。それを避けるにはラインを切り返すというラインコントロールが欠かせません

刺し餌先行をマスターして難しいグレのフカセ釣りを攻略

刺し餌が水中を流れていればそれだけでグレがヒットする時代は過ぎ去りました。刺し餌はコマセと同調して、さらにはウキよりも先行しなければなかなか食ってくれなくなりました。とはいえ、言葉にするのは簡単ですが、それを実現するのは相当な難しさがともないます。釣り人にとって都合のいい条件であれば、単にウキにブレーキをかけるだけでハリスは張り、刺し餌は先行します。しかし、風や波、サラシなどの悪条件下では簡単ではありません

この記事では、悪条件下で仕掛けを張って刺し餌を先行させる方法のひとつを紹介しました。簡単ではありませんが、マスターしなければ先には進めません。理想的な条件でしかグレが釣れないというのではいつまで経っても技術は向上しません。皆さんもぜひマスターしてください。