2019年10月22日更新 248

秋のタチウオは河川が熱い!タチウオを川で釣るメリットと狙い方

ハイシーズンともなると、波止が人でごった返すほど人気なタチウオ釣り。ひどい時はポイントに入れないこともあるほどですが、河川内で釣りをすれば、人のことを気にせずにのびのびと釣りをすることができます。河川内でタチウオが釣れるイメージを持っていない方も多いですが、この記事を通じて、タチウオが意外とどこにでもいるということを知って頂けると幸いです。

Itsuki Kozaki

Itsuki Kozaki

ドイツ在住調理師アングラー

秋はタチウオ釣りの最盛期

初心者からベテランまで、たくさんの釣り人に人気のタチウオ釣り。毎年秋頃になると、有名な波止はたくさんのタチウオ釣り師でごった返します。また、比較的簡単に釣れる魚なので、カップルや家族連れで楽しめるのもタチウオ釣りの大きな魅力でもあります。簡単に釣ることができて、近所の波止でも気軽に楽しめてしまうターゲットである一方、船で沖へ出て、ドラゴンサイズの一発大物を狙ったり、陸からはなかなか楽しめない良型の数釣りなど、本格的な釣りも楽しめるのがタチウオ釣りの魅力です。また、基本的に”全く釣れない時期”が無く、1年を通して狙うことができるターゲットであるタチウオ。特に、最盛期に当たる秋シーズンは、手軽に行くことができる波止や漁港からでも船釣りに勝るほどの釣果をあげることができる時期です。

秋はサイズより数釣りの時期です

基本的に、秋のタチウオ釣りは数釣りに適しているとされています。ポイントやタイミング次第でいい群れに当たれば、陸からでも3時間ほどで、30本、40本と船釣り並みの数釣りが可能です。実際に、釣具店の釣果情報などをのぞいてみれば、半夜釣りで100本近くのタチウオを釣っている方も多くいます。
それほどの数釣りが可能な一方で、秋シーズンは小型のタチウオが多いことでも知られています。全体的に指2本〜3本クラスが多く、群れ次第ではベルトより細いタチウオばかりしか釣れないこともあります。さすがに指2本クラスの細いタチウオは食べるところもほとんどありませんし、何よりこれから産卵に絡む個体なので、釣れたらリリースしてあげましょう。生命力が強い魚ではないため、リリースする際は極力魚体に触れずに優しくリリースしてあげましょう。ちなみにですが、ご存知の通り歯が鋭い魚なので、フックを外す際はプライヤーが必須です。

ちなみに筆者のおすすめはこちらのスミスのロングノーズタイプのプライヤー。タチウオに限らず、出来るだけ長いプライヤーを使った方が、魚が暴れた際にフックが刺さったり、歯で怪我をしないで済みます。またこちらのプライヤーは値段のわりに錆びたり壊れたりしないのでコスパ抜群です。筆者は7年ほど使用してますが、まだまだ現役です。

河川内まで入ってくるタチウオの群れ

夜間になると、沖から沿岸部まで接岸してくるタチウオ。その多くが普段は水深100mほどの深い海に生息していることから、陸から釣りをする場合も、水深のある波止の先端や大河川の河口部などが人気のポイントになります。もちろん、そういった一級ポイントでは、1年を通して安定的な釣果をあげられることが多いですが、実はタチウオは河口だけではなく、河川の中にまで回遊してくる魚です。特に、最盛期の秋シーズンは、湾奥にある川幅数メートルほどしかない河川や、水深1mほどしかない干潟エリア海水魚が遡上できる最上流域である堰の直下で釣れることもあるほどです。さすがに、それほど水深が浅かったり、上流に当たるポイントで、毎回コンスタントに狙って釣るのは難しいかもしれませんが、中流域や下流域であれば十分に狙って釣ることが可能です。

そもそも立って泳いでないことも多いタチウオ シャローエリアでも泳げる

河川なんて水深も浅いのに、立って泳いでいるタチウオは入ってこられないんじゃないの?と思ってしまいますが、実はタチウオは普通に横向きに泳ぐこともできるので、水深の浅い場所でもしっかりと泳ぐことができますし、ベイトフィッシュを追うこともできます。また、河川内では強く流れが出ていることも多いので、そこそこ水深のあるエリアでも流れに対して頭を向けて横向きに泳いでいることも多いです。見たことがない人に話したらなかなか信じてもらえませんが、夜、橋の上から明暗部をのぞいてみるとよく見られます。ちなみに、橋の上からタチウオが見えても、橋の上からの釣りは禁止なので注意しましょう。

河川内はタチウオのベイトとなる小魚がとにかく多い

(タチウオが好んで捕食している15㎝前後の小型のアジ)

わざわざ河川までタチウオが入ってくる理由は、河川のベイトの豊富さにあります。特に秋は、海からイワシやコノシロ、サヨリやアジが河川内に入ってきますし、河川内にはもともといるボラの子供や、上流からは落ち鮎が流れてきます。ちなみに、筆者が堰下でタチウオの群れに遭遇した時は、落ち鮎パターンのシーバスを狙いに来た時でした。

秋の河川はタチウオ釣りの超穴場です

たくさんのタチウオの群れが沿岸部まで接岸してくる秋シーズン。もちろん、この時期を待ってましたとばかりに、有名な波止にはたくさんの釣り人が殺到します。毎週、金曜日や土曜日の夕方ごろともなると、数メートル感覚で釣り人が並ぶほどです。あまりにも多いので、「タチウオ釣りに行きたいけど、今日は金曜か〜。人、多いしやめとくか。。」と、人が多いのを理由にタチウオ釣りに行きのをやめてしまう人も非常に多いです。特に、エサ釣り師に比べてキャストの回数が圧倒的に多いルアーマンにとっては人が多いと釣りにならないので、週末に人気の波止で竿を出すのは非常に困難になります。

河川内にタチウオ釣り師は皆無です

一方、河川でタチウオ釣りのアングラーはほとんど見かけません。河口付近ではチラホラ見かけますが、数キロ上流へ行くと全くといっていいほど見かけなくなります。最初の方はあまりに人がいないと不安になってしまいますが、しっかりと釣れるので、問題ありません。河川内であれば、人を気にすることなく好きなところに好きなだけ思いっきりキャストすることができます。

河川でタチウオを狙って釣るには?

時には、海水魚が到達できる最上流に当たる堰下や、水深の非常に浅い干潟エリアなど、河川内のありとあらゆる場所に回遊してくるタチウオ。しかしこれだけ広範囲で釣ることができるとなると、反対に狙いを絞り難くなってしまうのも確かです。タチウオ釣りにおいて、釣り人が多い場所=よくタチウオが釣れる場所である場合も多く、波止場や漁港で釣りをする際、釣り人の数はポイントを選ぶ大きな1つの基準となります。一方で、河川内でタチウオを狙っている釣り人はほとんどいませんので、釣り人の数を頼りにポイントを選ぶのは非常に難しくなります。また水深が浅いことが多い点や、流れがある点なども波止場とは大きく異なります。ここでは河川内でタチウオを釣る際のポイント選びや時合い、どういった釣り方が適しているかなどを紹介したいと思います。

河川でのタチウオポイントの探し方

まず、ポイント選びが最も重要になります。基本的に、河口から10㎞前後までで、そこそこ水深があればどこにでもタチウオが入っている可能性があると考えて問題ありません。ただ、塩分濃度が非常に薄く、流れも急な清流のような河川ではほとんど釣れません。河川の規模に関しては、川幅の広い大河川はもちろんですが、川幅の狭い小河川でも釣れるので、河川の規模はあまり関係ありません。とはいえ、よく釣れる、タチウオが集まるポイントの情報が欲しいところです。河川内でのポイントの情報などは出回らないことも多く、釣具店の釣果情報を覗いても、得られる情報は”〇〇川河口 タチウオ10本!”程度であることが多いです。それでは情報に頼らずに自分でポイントを探す際はどういった基準でポイントを探せばいいのでしょうか?

結論 シーバスアングラーに聞いてみるのが一番です

もちろん、ある程度自分の足を稼いでポイントを探せば簡単に見つかるのですが、そのポイント探しの際に、もしシーバスアングラーに出会ったら、ぜひタチウオの情報について尋ねてみることをオススメします。タチウオが最盛期を迎える秋頃、シーバスも型、数ともに狙えるハイシーズンを迎えており、多くのシーバスアングラーが夜な夜な河川に足を運んでいます。タチウオとシーバスはポイントがかぶることも多く、シーバス釣りの外道としてタチウオが釣れることも多いので、シーバスアングラーはタチウオがよく釣れるポイントについてよく知っていることが多いのです。また、”ポイントを直接聞くのはNG”であることが多いのですが、シーバスアングラーにとってタチウオは外道ですし、むしろシーバスを釣るために避けている場合もあるので、案外簡単に教えてくれることが多いです。もちろん、シーバスアングラーと出会わない可能性もあるので、ある程度は自分でポイントを選ぶ必要があります。

橋周り

自分でポイントを探す場合は、とりあえず橋周りに行ってみましょう。シーバスと同じく、橋周りはタチウオ釣りにとっても好ポイントとなります。ただそこに橋があるというだけで周辺にベイトがたくさんいることも多く、特に橋の街灯でできた明暗部はタチウオにとって1級ポイントになります。また、明暗部だけではなく、橋脚で出来る流れのヨレなども好ポイントになります。

常夜灯周り

河川内で常夜灯が効いているポイントがあれば、タチウオがついている可能性が高いです。特に、暗闇にポツンとあるような状況だと効果絶大です。軽く探ってみてついていなくても、回遊してくる可能性もあるので、少し粘ってみる価値もあります。また、灯りがぼんやり効いている程度でも十分に効果を発揮します。例えば道路にある街灯にうっすら照らされている場合などです。とにかく、常夜灯のあるエリアではとりあえず竿を出して見るのがオススメです。

流心部

特にマヅメ時など、まだ薄明るい時間帯では、河川の流心部を狙うのが効果的です。暗くなるとシャローエリアなどでも捕食を開始するタチウオですが、明るい時間はそこそこ水深のある流心部にいることが多いからです。
なお、明るい時間から回遊待ちをする際に最もオススメなのが、河口から1番近くて、川幅が狭まったポイントです。暗くなる頃から河川に入ってくるタチウオは、明るい時間はまだ河口部近くにいる場合が多いので、川幅の狭まったポイントで河川に入ってくるタチウオを狙い撃つのがオススメです。

河川でのタチウオ釣りの時合いは?

岸から釣る場合、基本的に夜間がメインのタチウオ釣りですが、河川内で釣る場合も特に変化はありません。ただ、やはり河川も少し上流の方となると、河口域に比べて少し時合いが遅れる傾向になります。

やはりマヅメはよく釣れます

干潟で釣れたタチウオ

一般的に、朝夕のマヅメ時は効率よく探れるルアーの方がよく釣れ、完全に暗くなってからの夜間はじっくりと探れるエサ釣りの方がよく釣れるとされているタチウオ釣り。河川で釣りをする場合も大方この条件が当てはまります。特に夕マヅメは、効率よく探れるのがルアー釣りのメリットを生かし、河川内に入ってきたばかりのタチウオを数釣りすることが可能です。この時、少し川幅が狭まったポイントや、流心をしっかり狙い打てる場所に陣取って回遊待ちをするのがオススメです。

マヅメ時のおすすめルアーはバイブレーションプラグ

効率が重視されるマズメ時の釣りにオススメなのが、一気に幅広いレンジを探ることができるバイブレーションプラグ。バイブレーションプラグに比べて、より飛距離が出て沈みの早いメタルジグなどでも対応は可能ですが、波止などに比べて水深が浅いことが多い河川では、あまり重たいルアーを使ってしまうと根がかりが多発してしまうので、水深にあったウエイトのバイブレーションプラグを使うのがオススメです。ちなみに、フォールはタチウオに対して非常に良く効きますが、あまりラインを緩め過ぎるとすぐに歯でラインを切られてしまいます。ボトムをとる際は、やや糸を張りながらのカーブフォールを意識しましょう。アクションですが、基本はキャスト後に一度ボトムをとって、ただ巻きで巻き上げてくるのみでOKです。日が出ている間は速めのリーリング、暗くなってきたら徐々に遅めのリーリングに切り替えましょう。

常夜灯周りは夜が更けるほどいい

これは常夜灯周りで釣りをする場合、どの魚を狙う際にも言えることですが、常夜灯は点灯されてから時間が経った方が効果が現れます。つまり、夕方点灯されたとしたら、最も効果が現れる、魚がたくさん寄っているのは明るくなる少し前の朝5時、6時頃。反対に常夜灯が点灯されてからあまり時間の経っていない夕方6時、7時頃だと、魚が十分に寄ってないことも考えられます。

常夜灯周りにオススメのルアーはシンキングペンシル

常夜灯周りで釣りをする際にオススメのルアーがシンキングペンシル。オフショアからのジギングで狙う際も、フォールを多用するいわゆるスロージギングが基本のタチウオ。やる気のある魚には弱った魚を演じられるスローなアクションが非常に効果的です。陸から狙う際も、基本的に食い気の立った魚がいるとわかっている場合は、キビキビと速い動きのミノープラグやバイブレーションプラグよりも、ふわふわと弱った魚を演じられるシンキングペンシルのようなルアーが効果絶大です。また、ミノーに比べてかなり飛距離が出るので、大河川でも遠くまでしっかりと探れます。なお、シンキングペンシルを使う際もフォールは非常によく効くのですが、やはりラインブレイクの可能性があるため、ただ巻きで狙うようにしましょう。

もしボイルが確認できたり、ベイトが水面で追い回されているような気配があれば、よりスローに水面直下を探ることができるシャロータイプのシンキングペンシルを使用するのがおすすめです。

流れが出ている方がよく釣れる

特に橋周りで明暗の釣りをする場合、やはり流れが止まっているよりも、しっかりと流れが効いている状況の方がよく釣れます。特に橋脚で出来るヨレの場合、流れが強く出れば出るほどタチウオがつく可能性は高まります。

シーバスがよく釣れるのはタチウオが釣れないサイン?

特に、橋周りの明暗で釣りをしている場合など、流れも効いてきて、完全に時合いのはずなのにシーバスばかり釣れるという場合は、周りにタチウオがいない、またはほとんどいない可能性が高いです。実はタチウオは、到底捕食できないサイズのシーバスや青物に対しても、尻尾などヒレをかじったりすることがあり、海の中では基本的に嫌われ者として避けられることが多いのです。なので、タチウオがよく釣れている時にシーバスが釣れることは少なく、反対にシーバスがよく釣れる時にはタチウオはほとんどいないと考えても問題ありません。

河川内のタチウオ、食べても大丈夫?臭くない?

海に比べて水質がよくないことの多い河川内。特に都市型河川であれば、ベイトとしてボラを食べていることも多いこともあり、なんとなく食べても問題ないのか不安になりがちです。筆者も最初は若干ためらったのですが、結論から言うと、特に味の違いは感じられませんでした。

全然臭くないです。刺身でもOK

本当に全然臭くありません。生食も全然大丈夫です。そもそも、タチウオはずっと河川の中にいる魚ではないので、あまり河川の水質は関係ありません。もちろん、なんとなく嫌がる気持ちもわかりますが、反対にいえば、沖でジギングで釣れたタチウオも、今朝まで河川内にいた可能性だってあるのです。さすがにそれは言い過ぎかもですが、沿岸に接岸してくる個体であれば、河川で釣れようが波止で釣れようが大差はありません。なので、気にしなくてOKです。

まとめ

あまり河川で釣れるイメージのないタチウオ。筆者も、最初は河川内でタチウオが釣れるなどとは思っておらず、シーバスに外道として釣ったのがきっかけで知ることとなりました。しかし、河川でのタチウオ釣りは多くのアングラーを避けることができるので、非常におすすめです。ぜひ河川内で、のびのびとタチウオ釣りにトライしてみてください。