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2020年5月28日更新 5831

初心者におすすめしたいタミヤMMシリーズの戦車!ドイツ重戦車タイガーI初期生産型制作レビュー

戦車キットは複雑で難しいと思う方も多いかもしれませんが、はじめての戦車キットにオススメなのがタミヤ1/35TIGER Ⅰです。タミヤらしい分かりやすくも絶妙な難易度にデザインされた本キットと向き合えばプラモ作りの楽しさがさらに分かります!

OutSeekers編集部

OutSeekers編集部

大人になった今こそ、憧れのタミヤMMシリーズを作る!

50年以上も続くタミヤのプラモデルラインナップ「MMシリーズ」

タミヤ模型が展開している「ミリタリーミニチュアシリーズ」通称「MMシリーズ」は第二次世界大戦に列強国が使用していた戦車や軍用車両のキットを中心に豊富なラインナップを取り揃えていて、現在も模型店の一等地にキットがズラリと並ぶその歴史は実に50年以上にもなります。プラモデルにも色々な種類がありますが、多くの人がイメージする戦車を筆頭にしたミリタリーキットの殆どがこのMMシリーズに含まれます。名実ともに日本を代表するプラモデルシリーズです。

MMシリーズは子供も大人も満足させるプラモデル

TIGER Ⅰボックスアート

豊富なラインナップを誇るMMシリーズは以前からプラモデル好きな子供たちの憧れの対象でした。
筆者の場合、子供の頃に通っていた近所の模型店に行くと奥の大きな棚に整然と積まれているMMシリーズにいつも目を奪われていました。真っ白な背景に描かれたリアルなボックスアートはとても美しくまさにボックス「アート」です。このボックスアートが多くのプラモデルメーカーにも影響を与えました。

ボックスアートをまとめた書籍も出版されるほどの人気です。

時が経ち、大人になった今でもプラモデルを作り続けているのは、子供の頃感じたMMシリーズが放っていたプラモデルの魅力が忘れられないというのが理由の一つにあるのは間違いありません。

子供にとっては憧れのキットであり、大人にとってはキットとしっかりと向き合う事でプラモ力の維持向上に繋げる事が出来る。そのような全世代の希求に50年以上に渡り応え続けているのがタミヤMMシリーズなのです。

初めての方にこそ挑戦してほしい!MMシリーズの「戦車」シリーズ

MMシリーズは1/35と1/48のスケールでそれぞれ展開されていて多くの品揃えとなっていますが、それ故にプラモデルを作り始めた方やこれから作ってみようと思っている方にとっては作り始めのキット選びに迷ってしまうかもしれません。

そこで今回の記事では、初めてMMシリーズの世界に触れる方にオススメするキットについて、製作を通してその魅力に迫ってみたいと思います。

初めてのMMシリーズとして筆者がオススメするのは、一見ハードルが高そうに見える「戦車」です。
今回は1/35ドイツ重戦車TIGER Ⅰ初期生産型をピックアップして説明していきます。

正にミリタリーの王道を行くキットです。発売は1997年ということで20年以上も前に発売されたものが今もこうして現役で販売されているということが、タミヤの製品クオリティがいかに高かったということを証明しています。

初めての製作にあえて戦車をオススメする3つの理由

複雑なパーツも多そうだし、一見おおがかりに見える「戦車プラモデル」ですが、初心者にこそおすすめしたいポイントは以下の3つです。

  1. 大小様々なパーツの取り扱いに一気に慣れる。
  2. 塗装の本質的な面白さを味わえる。
  3. 次回の製作意欲が湧いてくる!

上記3つの理由はいずれもプラモデルを楽しみ上手に仕上げる力である「プラモ力」を高めるのに必要なものです。

1 :大小様々なパーツの扱いに一気に慣れる

TIGER Ⅰ砲身とボディ

1/35TIGER Ⅰのパーツは車体や砲身などの大きなものからスコップやワイヤーなどの小さなOVM(車外装備品)などと多彩ですので、ピンセットを使っての接着や複数のパーツをまとめて仕上げるという風なパーツの扱い・組み立ての段取りを一通り経験する事になります。こうした経験はプラモ力の向上につながります。

2 :大きなキットを塗装していると、塗装の本質的な面白さを味わえる

TIGER Ⅰ右側

プラモデル作りには主に「組み立て」と「塗装」の2つのパートがありますが、キットを改造しないのであれば塗装に魅力を感じる人の方が多いと思われます。実際、組み立ててから塗装する流れが大体ですので必然的に作業のトリを飾る塗装にクライマックスを感じる方は多いでしょう。
1/35TIGER Ⅰのような大きめのキットを塗装していると、3次元の物体を自由に塗り上げる事の愉しさを心ゆくまで味わう事が出来ます。

3: 次回の製作意欲が湧いてくる!

TIGER Ⅰ完成

ドイツ軍肝煎りのTIGER Ⅰとがっぷり取り組みをしてプラモ力を身に付ければ、またプラモデルを作りたい!と自然にモチベーションが湧いてくるものです。TIGER Ⅰと同じような1/35戦車モデルを作るもよし、兵士や軍用車も作るもよし、プラモデル作りの経験を重ねる事でプラモ力はドンドンアップしていきます。そうしたプラモデル作りのラインの最初に1/35TIGER Ⅰは相応しいキットであります。

とは言いながらもやはりパーツ数とハードルは高いと思いますので、全くのプラモデル初心者の場合は同じくタミヤから発売されている「ワイルドミニ四駆」もおすすめです!

1/35TIGER Ⅰ製作レビュー

制作期間は15日間、約10時間ほどで完成!

TIGER Ⅰ完成2

今回のTIGER Ⅰ製作にかかった日数は15日、時間にして10時間ほどでした。ちょっと時間が掛かってると思われるかもしれませんが、部品毎に分かり易い組み立てになっているので最後まで楽しんで作りました。塗装もスプレーや大きな筆で大胆に塗る快感を味わえてプラモデル作りの醍醐味をしっかり堪能しました。がっしりした重戦車を自分の手で組み上げていくのは本当に気持ちがいいものです。MMシリーズは「プラモデル作ってる感」が止めどなく溢れてくるシリーズだと改めて感じました。

細かいパーツは100均ケースを使うと便利!

組み立てについては、組立説明書に沿って作っていけば大きな問題は無いと思います。説明書4番と5番のホイールの取り付けに描かれているパーツの多さにウッとなるかもしれませんが、決して複雑ではなく車体側の転輪から順番に接着していけば大丈夫です。転輪のパーツは似たようなものが多いので、種類・番号毎に小分けしておくと作業が捗ります。

TIGER Ⅰパーツ毎に整理

ホームセンターで売っているプラケースが便利です。

塗装について

組み立てを終えたキットに塗装をしてディテールアップを図っていきます。
下地塗りから仕上げのウェザリングまで段階を追ってお伝え致します。

6パターンから好みのカラーリングをチョイス!

スライドマーク(デカール)も6種類用意されていることで、決められた色でなく好みの色に塗装できるのも嬉しいポイント。
指定色で作るのももちろん正解ではありますが、色の選択で悩めるのも楽しい時間ではないでしょうか。

下地処理:サーフェイサー塗布

TIGER Ⅰサーフェイサー塗布後

まずはサーフェイサーを吹いて塗装の下地を整えます。

TIGER Ⅰサーフェイサー塗布後2

戦車の質感を表現するのに、サーフェイサーを均一ではなくあえてまばらに吹いてみるのも良いです。この後の本塗装で粗く塗る部分の目印にもなります。今回はボディ前方のスコップ周りを、少し粗くサーフェイサー塗布しました。

TIGER Ⅰパーツにサーフェイサー塗布後

車輪パーツはまとめて処理しました。

基本塗装(キャタピラ)

TIGER Ⅰキャタピラ塗装

キャタピラも同様にサーフェイサーを吹いた後、タミヤアクリルXF-64レッドブラウンにX-7レッドを少量混ぜてドライブラシの感じで擦り付けるように塗りました。


TIGER Ⅰキャタピラ塗装2

塗料が乾いたら、塗れていない所にXF-64レッドブラウンとスミ入れ塗料のブラックを均一にならないように塗りました。スミ入れはダークブラウンでも試してみたのですが、ブラックの方がやはり色合いが強調される感じです。

基本塗装(転輪)

TIGER Ⅰパーツ塗装

転輪にはTS-4ジャーマングレイを吹き、外周のゴムにはXF-1フラットブラックを塗りました。スプレーの吹き具合は適当な感じなのですが、転輪にはこの後ウェザリングで泥付けをするのであまり気にせずサッと処理しました。

TIGER Ⅰパーツ塗装2

GSIクレオスのMr.ウェザリングペースト マッドブラウンを使って転輪を汚しました。全部を一様に汚すよりは車輪の遠心力による泥の飛び具合を意識して、中心から外側にサッと塗るなどしてランダムな汚れを目指しました。

基本塗装(ボディ)

TIGER Ⅰ基本塗装終了

ボディの基本塗装を終えた状態です。全体にはTS-4ジャーマングレイを吹き、スコップやワイヤーなどはボディに合うような色合いで自由に塗ってみました。手持ちの塗料を色々試してみましたが、何の縛りもなく自由に塗るのはやはり楽しいです。

TIGER Ⅰ基本塗装終了(背面)

背面の左右にあるエアクリーナーはXF-26ディープグリーンを塗りました。
ハリウッド映画を観て育った為か、筆者が戦車やミリタリーというワードから思い浮かぶのはランボーやプレデターなどの舞台となったジャングルの奥地でありまして、このTIGER Ⅰにもどこかにジャングルのグリーンを差し入れたいと目論んでいたのですが、ここで叶いました。

デカール貼り付け

TIGER Ⅰデカール

こちらキット付属のデカールです。本キットはパーツとデカールの組み合わせで6種類のタイガーを作る事が出来ます。今回はマニュアル表記Bタイプである「第503重戦車大隊第3中隊332号車」を選択しましたので、対応するデカールを切り出しました。
余ったデカールは他のキットのディテールアップにも使えますので無駄が無いです。。

TIGER Ⅰデカール貼り付け

砲身にデカールを貼り付けました。筆者はデカール貼りにはいつも苦労する方なので、デカールを滑りやすくするマークセッターが欠かせません。デカールは破れ易いですので、プラモデルの作り始めにはこういう補助アイテムがあると本当に助かります。

TIGER Ⅰ基本塗装終了(背面)

基本塗装とデカール貼りまで終えました。ディテールアップとしてウォッシングによる経年変化の表現をしていきたいと思います。

ディテールアップ①:ウォッシング

ウォッシング用塗料

ウォッシングにはタミヤエナメルXF-52フラットアースを使いました。

ウォッシング後1

エナメル塗料専用のシンナーで薄めたフラットアースをパーツ全体に塗りました。ウォッシング作業は塗料が乾いたらそれを大まかに拭き取る事でモールドを中心にいい感じで塗料を残すウェザリングテクニックです。塗料を拭き取り易いようにシンナーでジャブジャブに薄めてから塗っていきます。ちなみに、基本塗装はアクリル塗料で施してありエナメル塗料でウォッシングしても塗膜が剥がれる事はありませんので、大胆に塗っていきましょう。

ウォッシング後2

ボディにも同様にジャブジャブに薄めたフラットアースを塗りました。
このまま乾燥を待ち、綿棒やティッシュペーパーで拭いていきます。

フラットアース拭き取り1

乾燥したフラットアースを拭き取りました。
拭き取りには綿棒を使うのが定番なのですが、広い面を綿棒だけで拭くと細い跡が残ってしまうのでティッシュペーパーで拭いていくとベターです。
エナメルシンナーを適量含ませたティッシュペーパーで大まかに拭いていくとモールドに塗料が残り、また拭き取った面にもうっすら残った塗料が馴染んで経年変化の表現となります。

フラットアース拭き取り2

ウォッシングを終えた状態です。この後ウェザリングで汚しをつければ更なるディテールアップが図れます。
筆者の場合いつもウェザリングをやりすぎてしまうので、ここで完成しても良いかもと思ったのですがプラモ力アップの為には苦手分野の克服が肝心ですので最後までやり切ります。

ディテールアップ②:ウェザリング

仕上げのウェザリングは、塗料を弾くスパッタリングを試してみました。
薄めたウェザリングペーストを筆に含ませて、筆先を指で弾くと大小ランダムな泥の跳ね返りを表現する事が出来ます。今回はMr.ウェザリングペーストのマッドイエロー → マッドホワイトの順で塗料を弾き飛ばしました。

スパッタリング処理後(左側)

スパッタリング処理後。転輪周りと車体後方を意識して汚しました。

スパッタリング処理後(背面)

砲身のデカールが見えなくなりました。保護したい所は布などを乗せてからスパッタリングする事をオススメ致します。


ドライブラシ処理後(完成)

最後にボディの角や転輪の金属部分にX-11クロームシルバーで少しドライブラシをかけて完成としました。

製作を通して、TIGER Ⅰは作り方も分かりやすくてパーツの多さも特に気にする事なく最後まで楽しく作る事が出来ました。完成時のフォルムもさすが重戦車という存在感で、こうした横綱クラスのキットに取り組む事でプラモ力がアップするのは間違いありません!

タミヤMMシリーズはモデラーの道しるべ

スパッタリング処理後(左側2)

今回は1/35TIGER Ⅰの製作を通してプラモデル作りの魅力を探ってみました。
多くの雑誌でもMMシリーズのキットレビューが載っているのを見ると、私のようなサラリーマンモデラーのみならずプロモデラーの方達もMMシリーズを作る事で自分のプラモ力の向上に努めているように思います。昔も今も、素人もプロも関係なく、MMシリーズはモデラーが自分の実力を測り次の製作の目標を定める道しるべの役割を果たしている感じがします。

また、週末にお酒でも飲みながら完成したキットを色々な角度から眺めて、ここはもうちょっとドライブラシをかけた方が良かったかなとか、もうちょっと鮮やかな色を差し入れても面白いかもなどと反省したり、また、次はTIGER Ⅰに付属している戦車長のフィギュアを作ってみようとかTIGER Ⅰをメインにしたジオラマを作ってみようか、などと想像を巡らすなんていうのは、おうち時間の過ごし方としては最上級の贅沢なのかもしれません!

いま戦車がアツい!?

YouTubeの陸上自衛隊広報チャンネルから2020年5月23日に配信された「令和2年度富士総合火力演習」の動画はすでに100万回を突破しております。

また2019年のロシア映画「T-34レジェンドオブウォー」も一部の熱狂的なファンの支持を獲得し、全国で応援上映が開催されるなどの「戦車ブーム」を牽引いたしました。

この映画を受けてかどうかは定かではありませんが、2020年3月21日には上記「T-34レジェンドオブウォー」のメインマシンとなったT-34のプラモデルが発売されました!映画の1シーンをミニチュアサイズで楽しんでみてはいかがでしょうか!

戦車アクションエンターテイメント」という斬新な手法が支持されたことにより、さらなる「戦車ブーム」が来そうな予感です。

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